我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
千葉県議会アメリカ調査団に関する最後のブログは日系企業の海外進出をメインとします。
我々は楽天USAと味噌ラーメンでおなじみの田所商店へと向かいました。
まずはRAKUTEN Americasについて。
シリコンバレーに拠点を構えるRAKUTEN Americasの業績や広報活動は目覚ましく、プロモーションの観点からみてもNBAの世界的人気チーム 「ゴールデンステート・ウォリアーズ」とパートナーシップを組み、ユニフォームの胸元に「RAKUTEN」という文字が書かれており(今まで特定の企業名はNGだった)、その名はどんどん広がっているということでした。
https://corp.rakuten.co.jp/warriors/
1997年に2人のスタッフで始めた楽天がシリコンバレーで大きな存在となっていることに対し我々調査団も心強く思ったのと同時に、説明を聞いて、世界で闘う企業のスピードと時世を読むチカラは日本は明らかに遅れていると焦燥感を覚えました。
RAKUTEN Americasは、約3000人の従業員のうち日本人は10%未満。
楽天では『Aiなくしてビジネスはない』わけでして、しかし『そのAiのアルゴリズムを作るのは”人”』である、このボトルネックであるエンジニアの人材を確保することが大変である、というお話しはとても印象的でした。
何故アメリカなのか?それはもちろん規制が少ないからです。
米国は、国、州、市で法律が異なり、グレーゾーンが多いからこそ、新しいことをやりやすいわけです。
米国では産官学が当たり前となっており、試験的に行政もどんどんと行う風土のため、やはりスタートアップは規制の多い日本は選ばれにくいということがあります。
自社ビルも風通しがよく、日本の企業とは思えないほど。
※こちらはカフェテリア
楽天のような先進的企業はどんどんと海外進出を果たしています。
実は私の友人も多くが海外で働いています。
本当に色々なことを考えさせられる訪問でした。
今回のレポートの最後は味噌らーめん専門店 麺場 田所商店です。
田所社長、自らが我々千葉県議会アメリカ調査団へのご説明にサンフランシスコまでお越しくださいました。
味噌ラーメンのみを取り扱う田所商店さん。
国内・海外含め100店舗を達成しております。
※外観
一番最初に海外にオープンしたのはブラジルとのことです。
日系人が多いことから日本の味噌ラーメンを食べてもらいたいということがきっかけだったそう!
アメリカ進出にあたり、苦労した点はすべての州に許可を得なくてはいけないということだったそうです(50もあるわけですから考えただけでも大変ですね💦)
アメリカでは田所商店さんはシカゴをメインにしています。
アメリカで苦労した点はピザやハンバーガーという中でラーメンで勝負をすることだと・・・。やはり、現地の方々に食べてもらわないと業績は伸びないんだそうです。
さらに、このシリコンバレーに関しては、近くにappleが来たことにより、家賃も上がり、時給も20ドルにしても見つからない、という過酷な環境であることでご苦労されているとのことでした。
我々の夕食もこちらで食べましたが、中にフライドポテト・・・!!
試行錯誤をされている様子がラーメン1杯から見て取ることができました。
ということで、我々アメリカ調査団は1週間にわたり、13か所に行き、調査研究を行いました。
アメリカは日本とは異なり、治安が良いわけではありません。
我々が宿泊したホテル周辺も決して治安が良かったわけではないので、とても気を付けながら行動しました(ホテルは調査先の近いところのため)。
私が小学校・中学校にロサンゼルスで住んでいたのはRedondo Beachというところでして、マンハッタンビーチ、ハモサビーチ、レドンドビーチの3都市からなる「ビーチ・シティーズ」のひとつで、今回のLA調査先からは20マイルも離れたところに位置します。
私の世代ならよくご存知かと思いますが、超人気海外ドラマの「The O.C」の撮影地でもあり、広大なビーチにて映画やドラマの撮影がよく行われていたり、ハリウッド女優のデミ・ムーアなどもレドンドビーチ出身で、とにかく落ち着いたビーチシティからすると、今回の宿泊ホテルは治安的に結構ドキドキしていました(汗)💦
やはりホームレスが多い・・・。
ホームレスの多さはカリフォルニア自体の大きな課題となっています。朝からパトカーの音で起きる、そんな視察でした。
1人で出歩かないようにと口酸っぱく言われていたのもありますが、私はまさにOJシンプソン事件の時などにロスにいたため、いかに危険であるかはおそらく今回の視察団の中では誰よりもわかっているつもりでした。
両親やロスに住む友人からも気を付けるように言われていましたので、LAで一切夜に外に出ることもせず、私はお酒を飲まないので、ブログを書いたり翌日の視察先の予習をしたりしながら有効に時間を使うことができました(^^)
今回の視察では主に、防災として災害時の体制(特にCERT)、児童虐待防止の仕組み、新しい形の教育、日経企業の海外進出、ICTを利活用した農場など、千葉県政の喫緊の課題であるものが大変多く、県議会の会派(グループ)からそれぞれ選出された議員がアメリカ調査団として調査・研究を行いました。
学んできた内容をしっかりと再考し、千葉県政にどの部分が活かせるのかを一緒に調査した団員の同期・先輩方とともに研究していきたいと思っています。
また、今回の視察先で偶然にも千葉県出身でご活躍されている方々が大変多かったことに驚きました!
キッコーマンのプレジデント、楽天USAにいらっしゃった駐在JTBの方は我孫子出身(しかもお二人とも私の近所)、またJETROや楽天USAにいらっしゃった女性は流山ということで、我孫子市と流山市の方が多く海外でご活躍されていることにとても嬉しくなりました!
厳しい目で見られがちな海外視察も、しっかりと自分の言葉で視察内容をレポートをし、着実に成果を見せることが大切だと思っています。
我々地方議員が、自分たちの住む地域を世界の動向もキャッチしながら、できる限りリードしていくことが必要なのではないか、と感じています。
このままでは日本は本当に後退してしまうのではないかと危機感を覚えています。
それはこの視察のどこに行っても感じることであり、特に視察先でお話しを聞いた駐在の日本人の方は、あまりの日本の危機感のなさに自分の子どもを日本で育てることはできなかったというお話しをされるほど・・・。
ブルームバーグ・イノベーション指数の2020年番付(研究開発(R&D)支出や製造能力、ハイテク上場企業の集中度など7つの指標を使い数十の基準で各国・地域を分析)では、日本は昨年と同じく3つランクを下げ、12位となりトップ10の圏外となってしまいました。
環境問題もしかりです。
こんなに環境問題について世界では議論され、法律も改定されているにも関わらず、日本では選挙において環境問題の話をしても票にならない、なんて言われます。
※真ん中がJETROの方
一人一人が政治と経済に真剣に向き合い、将来について考えていくことが今、我々に求められていることなのではないかと実感しました。