シンポジウム「コロナの時代の危機とはなにか~学生からの問いかけ~」@流通経済大学

こんばんは、我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。

 

今週から千葉県議会では常任委員会が始まります。

 

本日は膳場貴子キャスター(TBS『報道特集』メインキャスター)、井川信子先生(流通経済大学法学部教授)とともにシンポジウム「コロナの時代の危機とはなにか~学生からの問いかけシンポジウム~」に登壇しました。

 

※写真時のみマスクを外しております。

●右下段から、膳場貴子さん、水野ゆうき、学生

●右上上段から、龍崎孝先生(元TBS政治部長)、井川教授、司会の坂野先生

龍崎孝教授(元TBS政治部長)とも会話に花が咲きました。

 

今回のシンポジウムは学生が主体となり、学生からの問題提起に対して3人のパネリスト(メディア、政治家、教育者のそれぞれの専門家)が答えていく方式です。

これまで、学生と打ち合わせを重ねてきましたが、我々三人を前にしてしっかりと自分の考えなどを発表する学生の頑張りに感激しました。

 

※小さな声で行うようにヘッドマスクとし、距離を保ちながら講堂の収容人数700人のところを100人未満としています。

 

学生が提示してくれた4テーマは

①情報の選択(メディアリテラシー)

②コミュニケーションの再構築(コロナは社会を分断したのか)

③経済の格差と学びの権利

④時間と移動の自由(生きることの再発見)

 

まさにテレビというマスメディアで情報を伝える立場にある膳場さんから気を付けていることや取材を通して可視化された問題点を挙げていただき、情報源をしっかりと見極める大切さについてお話がありました。

 

私からはどのテーマにも共通しているのですが、緊急時・災害時は平時の取り組み・活動が何よりも大事であることを伝えました。

情報行政に関しても、教育行政に関しても、突然外に出ることができなくなってしまったとき、どのような手段で正確にあまねく住民に自治体は情報を伝えていくことができるのか、学校が休校となった際に自治体がICT教育に力を入れてきたかこなかったか、ということがどんどんと格差を広げています。

 

緊急時には平時にいかに首長、議員、自治体が力を入れてきたかどうかが試されているわけです。

受け手は情報を積極的にとっていくことが求められますが、コロナ禍では発信者はわかりやすく必要な情報を出す努力を怠ってはいけません。

また、ネットメイン世代とネットが使えない世代の両方を考えなくてはならないのです(デジタルデバイド)。

例えば千葉県の人口628万7千人中、高齢者人口は大体160万人ですが、団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年には、本県の75歳以上の人口は100万人を超えると予測されています。

県内においても南房総など県南市町村は高齢化率は40%超え、一方浦安市は12%未満 と県内市町村でも差があります。自治体がそれぞれの特徴ととらえた情報発信が重要になってくることは間違いありません。

 

そして社会の分断という観点では、私は世代間の分断、格差がさらに広がったと認識しています。

自治会で集まったり、お祭りやイベントなどが延期したことで地域で若い世代とシニアがつながっていた部分が分断されたのみならず、ネットなどが使えないシニアの孤立化が進んだように感じます。

 

 

 

私たち政治家はコミュニケーションが命です。

しかし、コロナによりそもそも接することができなくなりました。

ソーシャルディスタンスというのは基本的にはフィジカルディスタンスであったのに、心理的、社会的ディスタンスでつながってしまったと実感しています

若い世代がオンラインで時間的にも場所的にも自由が広がった分、ご近所にご高齢者や心配な方がいれば少し向こう三軒両隣くらいは気を配ったりしながら、若い世代、シニア世代がお互いが歩み寄る姿勢がますます大切になってくると思っています。

 

また、私が今回特に懸念しているのが「経済格差と学びの権利」。

2020年3月末までに限っても幼児教育~大学院の教育機関で世界で16億人の学生の学校が閉鎖され、日本ではコロナ禍で休校中、世帯収入の少ない家庭の子どもは収入の多い家庭の子どもに比べてオンライン教育を受ける機会が大幅に少ないことがわかっています(2020年内閣府研究)。

 

膳場さんが今回のシンポジウムで特に強調されていたのですが、もともとあった格差や問題が表面化し、そのコントラストが強くなったのだと。

 

※写真の時だけマスクを外しています。

 

まさにその通りだと思います。

平時から教育格差が存在し、コロナはそれをさらに助長し、これは自治体の財政力と首長の政策にも大きな差があったことは否めません。今回の県議会でも質疑にあがっていますが、例えばICT支援員は4校に1名となっていますが、財政的な課題で配置できない市町村があります。

教育は平等にあるべきで、不利な子どもの学習機会を保障するための対策実施必要不可欠であり、その格差を取り除くことが首長はじめ政治家の大きな役割だと認識しています。

 

コロナはすべての国民を健康面をはじめあらゆる面で脅かし、その時に自分の街の政治家がどう動いたか、どういった政策を議会で訴えたか、首長はどのような政策をうったか、「政策ベース」での選挙・政治が問われるようになってくると思うのです。

 

国民、県民、市民はシビアにみています。

また、時間と移動が自由になっても、オンライン等に追いつけない政治家があまりにも多かったように思います。

今、スピードが速い世の中で、どのような政治家が必要か、そしていかに選挙というものが大切かということを知るきっかけとなったことを期待しています。

 

シンポジウム後は、龍崎先生と坂野先生にご案内いただき、膳場さんと流通経済大学に展示されている「であうアート展」(NHKにて取り上げられています)を見学いたしました。

 

 

 

流通経済大学のSDGs活動として「旅する絵のギャラリー」プロジェクトの一環として行っているとのことで、 「生活工房」(千葉県成田市)に所属するアーティストたちの作品を展示し、展示作品を通して学生、地域の方々、そして障がいのある方々が「つながる」「であう」場を創っています。

 

思いつかないような色彩や画角、発想。

素晴らしい作品の数々に時を忘れるほどでした。