小池知事の4年間は…25点以下?!2016年~2020年の小池都政を客観的に検証する

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

本日、現職の小池百合子知事が正式に二期目の出馬を表明されました。自身が設立した都民ファーストの会を含めて、あらゆる政党の推薦・支持を受けずに「無所属」として挑戦されるとのこと。

都知事選、小池氏が出馬を表明 「都民の推薦、推挙を得るべく挑む」
https://www.sankei.com/politics/news/200612/plt2006120020-n1.html

水面下で様々な交渉をし、推薦をもらう段取りを進めていたことは事実だと思いますが、さすがは小池知事。

世論に反応する抜群の嗅覚と、王者の余裕で無所属を選び、本当に手強い「女帝」だと痛感するばかりです。

なおさらに我々が勝負するべきは、そして都民に判断してもらうべきは、外形的なことばかりではなく「政策・実績」になるでしょう。

その政策・実績面について、4年前の小池百合子氏の公約「7つのゼロ」については、動物殺処分ゼロ以外はすべて未達成であることは、過日の記者会見やブログでもすでに指摘をしてきました。

しかしこの殺処分ゼロについても、いわば「ごまかし」であると強く指摘する声もあります。

加えて、さらに検証を進めていく中で、もっと注目すべき事実・指標があることが発覚しました。

それは知事就任後に策定した都の基本計画「都民ファーストでつくる『新しい東京』~2020年に向けた実行プラン~」です。

2020年に向けた実行プラン
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/actionplan-for-2020/

おそらく多くの都民がこうした行政計画は存在すら知らず、また進捗状況も気にしていないと思いますが、公約よりもむしろこちらの検証のほうが小池知事の行政能力・実績を図る上で遥かに重要だと言えます。

なぜならば、選挙前の公約については

「ちょっと就任前だったので、言い過ぎた部分がありました。軌道修正します!」

という言い訳もギリギリで許されるかもしれませんが、これは知事就任後に都庁職員の力を動員して策定した正式な行政計画だからです。

そして結論から言いますと、小池知事は2016年に自ら立てた行政計画の大目標4つがすべて未達成であり、全体の達成率としても残り1年で25%を下回る(見込み)という燦々たる有様なのです。

これは何も私が勝手に言っているわけではなく、データと自己検証結果が残酷にも突きつけています。

上記の表にまとめたように、

●都内名目GDP120兆円
●外国人旅行客2500万人
●都民の生活満足度70%
●世界都市ランキング1位

という目標はことごとく未達成であり、2020年度終了まで時間が残されているのと、コロナ禍という要素を差し引いても、惜しいと言えるレベルにすら到達せずに終了しています。

全体的に見れば、インフラ計画などで手堅く達成している項目もありますが、それでも2019年度末までの達成見込みを合わせて25%以下です(157/644)。

これは昨年8月に発表された「事業実施状況レビュー結果」で詳細に分析されており、この分析をされること自体は本当に素晴らしいと思います。

「2020年に向けた実行プラン」事業実施状況レビュー結果
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/actionplan-for-2020/review.html

なぜこのレビューがなされたかと言えば、一部の改革を志向する本物の特別顧問たちが残っていた2016年当時は、小池知事はやる気に満ちあふれており、事後レビューをしてPDCAサイクルを回すことをぶちあげ義務付けていたからです。

その後、特別顧問たちは政治的理由で都庁を終われ、小池知事自身も急速に都政への意欲を失くし、改革やこの基本計画が骨抜きになったことは、このレビュー結果を見ても一目瞭然であろうと思います。

この事業実施状況レビュー結果、けっこう良くできているので、行政政策マニアは読んでて非常に面白いと思います。

例えば小池都政の成果として「待機児童はゼロにはできなかったが、過去に比べれば大幅に減少させた!」という実績ばかりが強調されますが、学童保育の待機児童はまったく減らずむしろ増加傾向にあることなども明らかになっています。

派手なメディア戦略やコロナによる露出の裏で、本来やるべきである2020年までの基本計画はどこまで進んでいたのか。

自らが都庁職員と作り上げた計画が、なぜたったの25%しか達成できなかったのか。

現職である小池知事には未来の公約ばかりではなく、こうした点もしっかりと説明していただきたいと思いますし、また我々も建設的・政策的な視点から論戦を挑んでいきたいと思います。

それでは、また明日。

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