質疑から逃げた立憲民主党は論外だが、自民党も改憲やる気なし。不誠実で遺憾な憲法審査会の結末

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

国民投票法改正案 衆院憲法審査会で可決 今国会で成立へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210506/amp/k10013014891000.html

3年以上棚晒しになっていた国民投票法の改正案がようやく成立する運びとなりました。

一部で誤解されている方もいらっしゃいましたが、これは憲法改正とは直接関係がなく、公職選挙法が改正されたことに合わせて国民投票法も変えないとおかしいよねという、当然の法改正を実施する内容です。

これによってようやく、国民投票においても期日前投票の柔軟化や、投票所への子どもの同伴などが可能になります。

正直、やっておいて当たり前の改正内容です。準拠する公選法が変わったんだから。

そこに「広告・CM規制をつけるべき」という別の論点を混ぜ込んでずーっと採決を先送りしていたのが立憲民主党だったわけですが、ここにきて

「施行後3年を目処にCMや外資規制などの事項を検討し、必要な措置を講ずる」

という修正案を提出し、それをなぜか自公が丸呑みして採用してしまいました。

やって当然の改正を行った後に、追加でCM規制などを議論することは大いにやれば良いと思います。しかし、それをわざわざ法案の中に明記させるのは

「3年間はこの検討事項を議論しなければならない。よって、憲法改正自体の議論に進むことは出来ないのだ」

というロジックで憲法議論を停滞させる意図があることは明白であり、実際にそのような誤解も招きかねない内容です。

幹事長レベルでこの内容で握った自民と立憲にどんな取引があったのかは知りませんが、実は与党側も本気で改憲の議論をやる気がないのではないかと思わざるを得ません。

そのため、維新は不誠実な意図がある本修正案に反対するとともに、仮に修正案でいくのであれば

「前項(検討事項)の規定は、憲法審査会が同項の措置が講ぜられるまでの間に日本国憲法の改正案の原案の審査を行うことを妨げるものと解してはならない」

という条項をさらに追加をするべきだという具体的な提案も行いましたが、受け入れられることはありませんでした。

よって冒頭に引用したニュースのように、「原案には賛成・修正案には反対」というスタンスに至った次第です。

さらに度し難いのは、立憲民主党がこの修正案を提出するにあたり、国会(憲法審査会)における法案審議・質疑応答を一切拒否したことです。

足立議員がまとめているこちらの動画内にて、国民民主党・山尾議員に「なぜ国民・維新が強く求めている質疑応答に応じてもらえないのか」と厳しく突っ込まれた立憲・山花議員はしどろもどろになりながら、

「自由民主党・与党と協議を重ねてきて、政党間レベルで合意を得た。そういう段取りなので…。」

と答えています。

つまり、自民・公明・立憲民主の3党だけで談合した挙げ句、1秒たりとも国会審議をしないで採決をさせたわけで、立憲民主党はその口で「強行採決ガー」とか二度と言わないでいただきたいと思います。

立憲民主党は案の定、

「発議者(立憲民主党)の意志としては、この検討事項に挙げられた法的措置が済むまで憲法改正の発議はできないということだ」

と好き勝手なことを言っていますが、開かれた国会の場で法案審議(質疑応答)に応じなかった時点でまったく説得力もなければ、そんな法的な意味も一切ないということは明確に指摘をしておきます。

国民投票法の改正案が採決されることは一歩前進ですが、大きな禍根と火種を残し、自民党と立憲民主党が馴れ合いで談合をするという非常に後味の悪い結末となりました。

議論のステージは参議院に移りますが、我々はこうした政局と一線を画し、改正議論を前にすすめるために尽力をしてまいります。

それでは、また明日。

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