事前規制から事後チェックへ。暗号資産行政を含め、日本はアジャイル政府・行政へと転換を目指せ

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

今朝は昨日の暗号資産行政・NFT質疑の件について、「CONNECTV」で取材をしていただきました。

質問:NFTについて、参入する企業や政府がどのように見ていけば良いか?

私の理想や目指すべきものとしては、政府が余計な規制をしないということに尽きると考えています。

推進しようとすることやお金を出そうなど、(サポートを行うと)政府はそういったことがうまくないので。そうではなくて、いい意味で放っておいてあげる。民間は創意工夫をするので、邪魔をしないことが大切。邪魔をする規制を作らないことが大切だと考えています。

日本では、入り口でガチガチに固めて不正や不祥事を起こさせない事前規制型が主流であるが、海外ではやらせてみて問題が起きたら潰していく事後チェック型のケースも多くあります。技術など、ブロックチェーンのテクノロジーの進展に馴染むのは後者の考え方だと思います。

もちろん消費者保護を無視していいわけではないが、まずは一定レベルで自由にやらせてあげて問題点を微修正するアジャイル型の行政の規制のあり方を私は提言していきたい。民間や業界のためにも実現していきたいと考えています。

https://coinpost.jp/?p=246136


政策思想の根幹に関わる重要な点を取り上げてもらえたので、私の方でも改めて下記にまとめたいと思います。

「事前規制型から事後チェック型へ」

これは規制改革を行う上で重要なポイント・転換の1つです。

日本の政治行政は、とにかく「問題を起こさせない」ことを最優先し、業界の利益やそれを守る政治家・省庁の癒着を生み出す「事前規制型」でここまでやってきました。

一度「内側」に入った業界としては守られやすく、また規制をする側・守る側としてもその規制権力に基づいた様々な「旨味」があるため、このシステムはいまだに強固に守られています。

最近、総務省の不祥事で話題になった放送行政なども、典型的な事前規制と業界の癒着です。

これは新規参入やイノベーションを阻む考え方・手法であり、とりわけ変化の時代に馴染むものではありません。

消費者保護というのも勿論重要ですが、事前規制をすれば不祥事・不正が防げるものでもないでしょう。

これからは放送や暗号資産に留まらず、農業など様々な分野でガチガチの事前規制から「事後チェック型」へと転換を進めていくべきです。

いうなれば、エラーがあったらその穴を機動的に塞いでいく「アジャイル型」です。

こういったアジャイル的な手法は、日本では徹底的に忌避されてきました。エラーが見つかって方針を転換すれば、

「ミスが起きるなんて、政府や行政の責任は重い」
「途中で方針を変えるなんて、朝令暮改だ」

など、無責任や野党やメディアが一斉に責め立て、また行政機関・公務員に過度な無謬性を求めがちな国民も追随してしまう可能性も高いでしょう。

そこに事前規制の方が「旨味」が多い業界団体なども乗っかって、日本には事前規制による鉄壁ガードが敷かれ続けてきたわけですね。

しかし繰り返しになりますが、このような凝り固まった制度・考え方ではイノベーション競争には置いていかれ、経済成長は停滞を続けるだけです。

消費者保護とのバランスはしっかりと考えなければなりませんが、福祉や命に関わる分野では事後チェックがなじまないものがある一方、アジャイル的な手法が許容される分野もあるはずです。

その点、日本政府は以前にはそれこそ厳しい事前規制が馴染むはずの「民間団体による特別養子縁組あっせん」が届出制(事後チェック)であったり、一貫性のない感じられない対応も存在しました。

事前規制を維持すべき分野・大胆に転換するべき分野をしっかりと見極めて、規制改革(緩和や撤廃)と強く提案してまいりたいと思います。

それでは、また明日。

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