こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
都民ファは離党して立憲民主党に行かれた栗下都議が、都民ファーストの会の内情を糾弾する記事が公開されて話題になっています。
当然ですが、これに対して都民ファ側の議員たちは一斉に反発。
うーん、選挙前って雰囲気になってきました。
前回都議選の直前に、旧民進党→都民ファへと民族大移動が起こり、今回はその逆の都民ファ→立憲への先祖還りが発生。そのプロセスにおけるイザコザでどちらの肩を持つつもりもありませんが、
かつて中にいた立場からすれば、栗下都議の言うことがほぼ100%正しいとしか言いようがないですね(苦笑)。
何一つプロセスが所属議員に開示されない意思決定、強権的な新人議員との飲み会禁止、やって当然のネット中継すら日和って妥協しようとしていた議会改革…
せっかくの機会なので、この4年間の都議会運営と議会改革について振り返ってみたいと思います。
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公約達成率がどうと言っても、この4年間で当初都民ファが目指していたと議会改革がほとんど進まなかったことは否定しがたい事実です。
公約の進捗 議会改革・行政改革
https://tomin1st.jp/policy/956/公約達成率8割以上という自分たちに甘々な裁定を出してしまう都民ファですら、議会改革については積み残しがあることを認めています。
「ブラックボックス」と批判して目玉に掲げた秘密会議の撤廃・公開(上記13)には手も足も出せず(決定って何?)、もっとも簡単に実現すると思われた公用車廃止すら挫折しています。
知事の反問権導入や公聴会の活用などの前向きな議会改革は端緒にすらつかず、そのために必要な議会改革条例は日の目を見ることはありませんでした。
「なんであれだけ大勝して、公明党と組んでとはいえ与党を占めているのに、まったく議会を変えられなかったの?」
という質問はよくいただきますが、この直接的な原因は冒頭の記事で栗下都議が主張している通り、選挙後に都民ファが「議会改革は全会一致が原則」という無駄な慣習に乗っかったことです。
当たり前のことですけど、会派の規模・人数にかかわらず全会一致を目指すなんてことをすれば、賛否両論が発生する改革など進められるはずがありません。
案の定、都民ファと激しく対立する自民党はほとんどの議会改革案に反対、時流に乗ったネット中継ぐらいしか目に見える成果は出ませんでした。
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しかしこれは表面的な問題。
「ではなぜ都民ファは、早々に全会一致という慣習に乗ったのか」
と言えば、それは(少なくとも一部の・幹部の)都民ファ都議には議会改革など最初からやる気がなかったとしか考えられません。
青雲の志を持って政界に飛び込んできた新人たちにやる気はあっても、幹部を占めたのは他党から流れてきた旧タイプの議員らと、小池知事を神聖視する側近たち。
生き残るのが目的の議員からすれば、無駄にハレーションを起こして議会運営を難しいものにしたくない。都議会運営が過度に荒れるのは、知事サイドとして望ましいものではない。
結局、自分たちの保身と知事の忖度に走った幹部議員の結託により、都議会の改革は尽く先送りされたまま今日に至ります。
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そのやり方には激しい賛否がありましたが、大阪府議会では選挙が終わった後、議員定数の削減という議員の身分に関わる改革すら多数決で断行しました。
議会を変えるというのはこれくらいのエネルギーがいることであり、裏を返せば最大会派が本気になれば大きく変えることもできたのです。
桁違いの財源を持つ東京都政。その議会が変わればもっと政治の世界に地殻変動が起こせたのに、この4年間の停滞は残念でなりません。
今回の都議選は争点の1つとして「失われた4年間」「先送りされた議会改革」を問うものでもあります。
告示日まで10日間、しっかりと政策を訴えてまいります。
それでは、また明日。