こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
本日午後の研修は、議員・特別党員同士の自由討論。特に財政については国と地方自治体の違いから始まり、積極財政をどこまで打ち出すのか・リバタリアン的な評価や価値観とどう向き合うのかなど、本質的な議論ができました。後ほど(次女の寝かしつけが終わったら…)ブログにまとめたいと思います。 pic.twitter.com/tSaNM4xgDn
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区) (@otokita) September 19, 2019
本日は研修会二日目、特に午後は議員・特別党員同士の自由討論に長時間が充てられ、非常に有意義なディスカッションができました。
やはり座学や講師の方との質疑応答だけでなく、所属党員同士が議論することは非常に大切ですね。このような機会を設定してくれた政調会及びスタッフの皆さまに改めて感謝を致します。
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4テーマどれも白熱したのですが、今日は守島正・大阪市議(大阪維新の会政調会長)が取り上げた財政について触れたいと思います。
守島市議の問題提起を私なりに要約すると、
「大阪維新(を含む地方の維新)は結党以来、身を切る改革を筆頭に『財政規律』を大切にして活動してきた。しかし国政維新はこのところ、積極財政に方向転換しているように見える。これは矛盾しているようにも感じるが、実際のところ国政維新の財政に対する方針はどうなっているのか?」
というものです。
最近はれいわ・山本氏の影響で緊縮派・反緊縮派などの言葉が飛び交うようになりましたが、政府の支出を適切な範囲に抑えて財政の膨張を防ごうという考えはそもそも「財政規律派」などと呼ばれていました。
自由主義者である私は、どちらかといえば財政規律を大事にする「小さな政府」的な考え方の持ち主で、結党以来の国政維新マニフェスト集にも「プライマリーバランスの黒字化」が掲げられていました。
まず実態としては、国政維新の中にも激しい議論があった末、「まだ国家財政としては財政出動の余地がある」として、今回の参院選公約から「プライマリーバランスの黒字化」を外したとのことです。
教育の無償化など、「必要なところにはしっかりと支出する」という方針を明確にし、「反緊縮」というイメージを払拭する狙いもあります。
加えて、結党当初は使われていた「小さな政府」という文言も、現在は「小さな行政機構」という言葉に軌道修正されています。
ただその一方で、政府の「身を切る改革」は進まずPLは相変わらず真っ赤で、国債発行額は積み上がっているわけですから、その中で積極財政を主張するのは大阪などで進めている財政改革と矛盾するのではないか?という疑問が出てくるわけです。
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ここで前提となるのが、国政と地方財政の違いです。
地方と違い中央政府には「通貨発行権」がありますので、単純に歳出を削減する以外にも財政政策を発動する余地があります。
浅田均参議院議員(日本維新の会政調会長)が議論の場で述べていたように、経済政策は水物ですから、原理主義的に正しいものがあるわけではなく、場面場面に応じて打ち手が変わってきます。
低成長とデフレが続いている現在、国債発行の余地があるのであれば、積極的な財政出動を行うべきだという路線はありえます。
そこで足立康史代議士などは、
「『維新は反緊縮』というイメージが足を引っ張っている。これを完全払拭するためにも、積極財政の姿勢をもっと打ち出していくべきだ」
「ただその積極財政の中身は、自民党やれいわなどの利権・バラマキではなく、経済成長と機会平等のためだとしっかりと主張して行くのが良い」と意見を述べておられました。
この打ち出し方については、私は若干異論がありまして。。
場面で積極財政に転じるのは充分にありえますし、経済成長と機会平等のための支出が今こそ重要だという点は論をまたないとしても、維新のオリジンとして「財政規律≒小さな政府路線」があるということは、逆に捨てない方が良いなと率直に思うのです。
むしろ「財政規律派」の維新が積極財政を主張するほど、投資先の政策は重要なのだ・現在の状況は深刻なのだと思ってもらえた方が、世間的なインパクトを残せる可能性もあります。
また、国政維新がなぜこの局面で積極財政を主張しているのか?については、有権者や党員に必ずしも正しく伝わっておらず、広報戦略・ガバナンスの強化も必要不可欠です。
よって僭越ながら、そういった意見も私からは述べさせていただきました。
※なお本日の議論で、何らかの結論が出たという話ではありません
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自由主義者が支持できる受け皿として、維新の存在は文字通り唯一無二の存在であり、一般の有権者からは大阪で進めている改革との整合性が求められることもあるでしょう。
いずれにせよ経済・財政政策だけではなく、社会保障を含めたあらゆるパッケージで維新の姿勢が問われてきます。
「財政出動の持続可能性は、結局は国家の信頼性に依存する。ゆえに積極財政を主張するなら、社会保障を始めとする信用システムの立て直しが必須だ」
という意見も出され、まさにその通りだと感じたところです。
来月には臨時国会が始まり、衆院解散も目前に迫っていると言われています。
本日の議論も含め、国政維新のレーゾンデートル(存在意義)をしっかりお示しできるよう、引き続き党内議論と検討を続けて参ります。
それでは、また明日。