コロナウイルス感染症関連死対応の早急な「東京ルール」を
コロナウイルス感染症関連死対応の早急な「東京ルール」を
まずもって、新型コロナウイルス感染症に罹患されている患者の皆様にお見舞いを申し上げ、亡くなられた方へ心よりご冥福をお祈り申し上げます。
4月25日、東京都の死亡者は100名という状況となっております。お茶の間で人気を博された著名な方も亡くなられ、ご家族は看取ることもできず荼毘に付された報道に日本国中悲しみに打ちひしがれました。
そこで、なかなか、表面化することがためらわれることではありますが、喫緊に解決しなければならない逃れられない現実に、私はしっかりと向き合い、都民のみなさまと共有したいと思います。
それは、新型コロナウイルス感染症で尊い命をうしなわれた方々の火葬の問題です。おりしも「感染不明の遺体 検査必要も対応できず 遺族に返されるケースも」(NHK)という報道がなされ、感染不明のご遺体の新型コロナウイルス感染症検査が、必要でもあるにか関わらずご遺族に戻されている事実が明らかになっておりますことからも、葬儀に関わる関係者の方からの取材をもとにまとめました。
【東京都における常態時の火葬の状況】
現在東京都23区内には1軒の公設火葬場・1軒の公設斎場と7軒の民間斎場の合計9軒の火葬場があります。
公営火葬場は、江戸川区にあります都営火葬場1か所(瑞江葬儀所・ご遺体安置・火葬)、5区開設運営の公営斎場(臨海斎場・ご遺体安置・式場)民間火葬場は、東京博善社が経営する代々幡・桐ケ谷・落合・堀之内・町屋・四ツ木の6斎場(ご遺体安置・火葬・式場)と戸田葬祭場です。
葬儀が集中しますと火葬待機日数は民間斎場で3~4日、公営斎場で一週間待ちとなることもあり、東京の火葬場は不足気味の傾向にあります。
さらに、大きな問題は、自治体ではなく都民の火葬の多くを民間会社による運営の火葬場に任されているという常態下であるがゆえに、感染症による死亡者が一日に複数発生することになりますと、脆弱な東京都民の火葬場問題が浮き彫りになってきます。
【新型コロナウイルス感染症関連死の火葬の状況は…】
上田が事業者様に確認させて頂きましところ現在23区内では、9か所の火葬場のうち4か所で一日最大7人の火葬が行なえる体制となっているとのことです。
当然のことながら、陽性が疑われる、もしくは検査結果待ちのケースも入ってきますので、今後需要に応え得るか見守っている次第です。
3月初旬の段階で、新型コロナウイルス感染症関連死により、専門のご遺体の安置場所が必要になるのは時間の問題と病院に出入りをしている葬儀社の中では大きな問題になっていることを把握しておりました。東京都環境衛生課にも事業者から声を届けていたはずです。
3月2日には、東京都福祉保健局健康安全部より新型コロナウイルスにより亡くなられた方の遺体の火葬等の取扱いについて通知がなされるものの、この中に、ご遺体安置についての記載がなされていなかったこと、また、PCR検査がなされていないだけで非常に疑わしいケースや、検査待ちのケースなど、新型コロナウイルス感染症関連死が疑わしい場合についても、対応方法がなく、各葬儀社におかれましては対応に苦慮されるケースが発生しまいか、懸念しております。
また、この文中の以下の記載。
「3 病院へお願いしていること
遺体搬送の依頼をする際に、「新型コロナ感染症患者であること」を必ず 伝えるよう、お願いしています。 また、遺体を搬送業者へ引き継ぐ際は、非透過性納体袋に遺体を収容・密封し、表面を消毒後、搬送業者へお渡しすることも、お願いしています。 なお、非透過性納体袋は、都の調査で新型コロナウイルス感染症患者の受入可能と回答した病院に、今後配布します」
これら徹底ができていれば問題はないのですが、ひき渡しの具体的な方法は、各病院によって異なる場合もあり、厳密な意味での遺体引き渡しの「東京ルール」ができていないことは、一昨日放映された土曜夜のニュース番組で取材された葬儀社の方が
「(新型コロナに感染したご遺体の)明確なそもそものルールが国からあるわけではないので、私ども独自のやり方やはり(感染の)恐怖心、恐怖感はありながらもお手伝いしている状況です。」
語られていたことにも見て取れます。
【ご遺体の安置に関して】
更に留意しなければならないのは、火葬場に搬送されるまでご遺体の安置場所についてです。
現在病院の中で行っていることになっているはずですが、アメリカでは安置場所が不足している等の報道もあり、飽和状態になりますまいか、懸念するものです。
ご遺体からの感染の有無、医学的見地は今後明確になっていくものと思料しますが、亡くなられた後から火葬にかかる「東京ルール」が確立できていない状況の中で、ご遺体を搬送する葬儀に関わる方々が感染されないよう、厚労省も東京都も早急な対応が求められております。
現在、厚労省「新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aの関連業種の方向け」(4月15日時点)では、遺体安置に関しての注意事項が未記載であるなか、現場は日々切迫されているようで、安置場所を求めて対応に苦慮するケース、適切な管理、冷却装置のない中や消毒をしていない場所での安置へのご不安についてお姐のところにも声が寄せられております。
【非常事態宣言下での新たなコロナ関連死対策を】
そこで事業者の方と何が問題なのか以下まとめました。
東京都におかれましては、早急に「東京ルール」を確定していただければ幸いです。
(1) 非常事態宣言下でのご遺体安置のルールの明確化を
現在東京におけるルールがなく個々の葬儀社に任されているため、冷蔵機能が無い安置場で安置され、気温の上昇と共にご遺体の腐敗が進み、腐敗ガスにより、日数の経過とともに感染リスクが上がる危険性がある。この点の感染予防が担保が喫緊に必要。
なんとしても、腐敗ガスが充満して、感染予防のために使用している非透過性納体袋を破裂させるリスクを回避しなければならない。
(2) 葬儀関係者の感染予防への意識改革
そもそも、ご遺体は時に腐敗によって、死後すぐのご遺体であっても全て感染症を保持しているということを前提にして、ユニバーサルプリコーション(普遍的な予防策)・スタンダードプリコーション(標準予防策)に基づき最新の注意と敬意を払って取り扱う必要があるということをスタンダードな知識と、具体的な感染予防対策を体得していただく
(3) 感染症指定病院等の遺体安置環境整備
新型コロナウイルス感染症と診断された、未検査だが疑わしい、もしくは検査結果待ちのご遺体が、火葬場のキャパ以上出た場合、翌日火葬できないことからご遺体の安置施設が必要となる。既に23区内の火葬場の待機日数が発生しかねない状況で、感染症指定病院及その他入院対応されている病院ののご遺体安置の環境整備と飽和をさせないことが重要。
(4) 1日に火葬できるご遺体の上限をどう増やすか
今後死亡者が増えた場合、現在のキャパを超えてしまい数日間の安置が余儀なくされた場合の対策が必要
(5) 感染予防備品資材の不足を未然に防ぐ
東京都は「新型コロナウイルスにより亡くなられた方の遺体を火葬するにあたり、必要な防護具を各火葬場に配布」としており、組合所属以外の事業者にも配布されるよう、需要を把握し、防護服などの充足を
(6) 葬祭業社の数と従事者数を把握し「東京ルール」の周知徹底を
今回東京都から各協同組合に通達がなされたが、通達された先は一部でしかない。火葬ルールについて周知したくても、登録免許制が無いことから、周知を徹底することができない現状を打開すべし。
(7) 新型コロナウイルス感染症関連死のご遺体を預かれない現状解決
1人を預かることにより式場が利用できなくなり、通常の営業が難しくなる懸念から、多くの葬儀社は仕事を断らざるを得ない状況から、各葬儀社の役割分担が必須
【お姐総括!】
▲露地に咲くマーガレットを捧げます
今回は重いテーマとなりました。
しかしながら、避けては通れない喫緊が迫る、亡くなられた方とご家族の尊厳にかかる問題です。
家族が看病もできない。
看取りもできない。
最期に立ち会えない。
そして、これから、そして今も荼毘に付されるまで
火葬が追い付かず待機させられているご家族もおいでなのかもしれない…
さらに、「東京ルール」が確立しないなか、ご遺族の想いをうけとめられた葬儀関係者の皆様に、適正なご遺体安置や感染防止策、それに必要な各種備品が用意されてない中の感染があってはなりません
ですので、お姐と知己のございます同世代女性葬関係事業者の方と力を合わせて今般問題提起をさせて頂きました。
最後に重ねて、にオリパラ延期決定の3月23日まで東京都が独自に緊急事態宣言を出さず、政治、都政の対応が遅れましたこと、発熱されていらっしゃるのにPCR検査も早期に実施できず、ご自宅待機された後入院され亡くなられた私も大好きだった女優様に、土下座したい思いでご冥福をお祈り申し上げます。
そのためにお姐は、誰になんと言われようと、「小池都政」を議事録の残る場で冷徹に調査、確認、をし是々非々で評価、指摘、批判も、そして対案を示し、議会活動に邁進することをお誓い申し上げます。
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