なぜ、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府の要請にいち早く応じることを決めたのか?:その5

2020年3月4日:パート2 18時30分。早めの夕食を終え、パソコンのブログ更新画面に向き合っている。 新型コロナウイルス対策に関する今度のブログシリーズ(その2)で、群馬県が政府の要請にいち早く反応した理由を5つ列挙した。最初の2つは以下のとおり。(1)新型コロナウイルスの県内での感染拡大を防ぐためには、政府との連携が不可欠であること。事実、CSF(豚熱)や台風災害でも、何度となく政府の支援に助けられてきたこと。(2)小中高校の休校は、感染拡大、特に子どもの集団感染を防ぐための有効な手段であること。仮に群馬で感染が広がった場合には、知事として打ち出せる選択肢の1つだと(以前から)考えていたこと。 これまでのブログで、上述した2つの主張を詳しく説明してきた。3番目の理由としてあげたのは次の点だ。(3)新型コロナウイルス対策に関する行政の方針や政策を決定する際、最も重視すべきは専門家の知見だ。現時点で、それをフルに活用して的確な判断を下せるのは政府だけという現実があること。 今回のブログ(その5)では、新型コロナウイルス対策の政策決定に「専門家の知識」が不可欠であることを強調したい。 毎日のように、YouTube Premiumで米国民主党の大統領候補指名レースの状況をフォローしている。本日の午前中(日本時間)から開票が始まった「スーパーチューズデー」(14州で予備選が行われる序盤戦最大のハイライト)で、サウスカロライナ州で息を吹き返したバイデン副大統領の勢いが本物であることが証明された。 そのバイデン前副大統領が、少し前のインタビューで、トランプ政権の新型コロナウイルス対策を厳しく批判。「トランプ大統領の危機感の欠如した対応は最悪。科学者や医療関係者等の専門家の意見にもっと耳を傾けるべきだ!」という意味のことを指摘していた。 米国の主要メディアは、(同じ観点で)トランプ政権のウイルス対策に、こぞって疑問を呈している。トランプ政権の下で、「オバマ政権時代に整備されたパンデミック対策の組織体制が弱体化(?)している」らしい。 パンデミック直前(?)とも言うべき今回のような危機的事態において、行政が専門的な知見抜きに的確な判断を下すことは、極めて難しい!世の中の常識だ。 残念ながら、現状において、そうした専門家の知識や意見を、最も集中的かつ十二分に活用出来るのは、日本政府だけだ。逆に言うと、新型コロナウイルス対策に関する政府の方針は、専門家会議の検討を踏まえて策定されている。ここは、とても重要なポイントだ。 では、なぜ、そう見ているのか? 2月10日、群馬県は(他県に先駆けて)「感染症危機管理チーム」という常設の危機管理組織を立ち上げた。感染症対策においては、未発生時から正確な情報収集と分析を行い、有効な予防法について常に県民に情報提供することが重要だと考えたからだ。 危機管理チームのメンバーは、国の研究機関や県内の感染症の専門家として活続きをみる

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