今日、山本太郎は、もともと、全会一致予定だった法案に反対をしました。理由を説明します。 法案名は、「有人国境離島地域の保全および特定有人国境離島地域に係(かか)る地域社会の維持に関する特別措置法案」 タイトル長過ぎで良く判らない方の為にザックリ説明します。 日本は島国。いわゆる島嶼(とうしょ)、大小さまざまな島を全て合わせると、6852。 その内、有人の離島は、418。 日本の領土、領海のアウトラインを描く、離島の71を「特定有人国境離島」とし、人口が減らない様に振興させよう、などの、離島振興策を盛り込む予定、が本法案です。 特定有人国境離島に該当する離島を探していくと、数はもっと増えるはずですが、それらは今回、含まれていません。 特定有人国境離島として認められるのは、 ①本土から50km離れている。 ②人口がピークよりも、40%以上減少している。 離島は人口が減り続けており、昭和30年・約99万人だったのが、平成22年・約42万人と大幅に減少。 雇用の少なさ、給与の低さ。輸送費がプラスされた都市部よりも高い物価、それに加えて消費税増税の痛税感がより強く合わさる。充実とは程遠い教育内容、などなど。 昭和28年に作られた、離島振興法はありますが、人口が増える、とは程遠い厳しい環境は改善されていません。 今回、「特定有人国境離島」に該当しない離島全般に対して、振興策の幅を拡げる旨を約束して貰える事、山本太郎が引っかかる、法案への2つの不安が払拭されるならば、賛成の立場でも良い、と考えました。 本法案への山本太郎的不安点。 (A) 離島の生活を永田町が直視し、向上させる内容であるか? (B) 今回の法案成立後に特定離島が恩恵を受ける代わりに、 迷惑施設などの受け入れを「押しつけ」られないか? (A) に関しては「人口を増やす」と言う趣旨でありながら、 その問題意識が欠如している(「教育」が全く対象となっていない)のがよくわかります。 この点は、質疑時間内に触れられたので、お時間がある方はまずは会議録をどうぞ。ここからは、委員会質疑の時間切れで議事録に残せなかった、(B)「振興策を与える代わりに、迷惑施設を押しつけないか?」 をメインにお伝え致します。 迷惑施設の押しつけ、これはすでに始まっています。 皆さん、「FCLP」って、聞いた事ありますか? 「陸上空母離着陸訓練」 つまり、戦闘機が空母に離発着する訓練。 それを「タッチ&ゴー」で行ないます。 「タッチ&ゴー」とは、戦闘機が大きな推力を維持しながら、滑走路に侵入し、着陸後、直ちに急上昇し、何度もそれを繰り返す、空母を想定した離着陸の訓練。 元々は米軍が、厚木基地を中心に行なっていました。 何度も繰り返すので、当然大きな騒音、爆音が伴い、しかも連続します。 この離発着の訓練は夜間にも行なわれます。「NLP」と呼ばれ、硫黄島では、19日間で3680回の訓練が、行なわれた事もあるそうです。 この「NLP」の実施により、厚木基地の騒音が激化、第二次厚木基地騒音訴訟に繋がりました。 結局、騒音問題で住民の生活が脅かされ、厚木基地から、遠く1200キロ程離れた、硫黄島に場所を移動。しかし、硫黄島ではなく、違う場所に作りたい、と考えた人たちがいるようです。 次に狙われているのが、鹿児島県にある馬毛島(まげしま)。馬毛島から種子島まで12キロ。 世界遺産の屋久島まで40キロ。 約3kmの滑走路も作れる程、大きな無人島です。 無人島であるならば、「特定有人国境離島」にはなりませんが、ちょっとしたテクニックを使ったようです。 平成27年の最新の(国勢)調査ではなく(今年の10月に確定値が発表される)、6年前に行なわれた、平成22年の国勢調査を基準にして、「特定有人国境離島」に指定すると言う。 平成22年の国勢調査では、馬毛島に3ヶ月以上住んでいる事が確認されたのは、11人。 馬毛島に現在、居住者はいない。平成26年6月以降、住民登録はゼロ。【お詫び・質疑では国勢調査と住民登録の過去の数字を間違い、住民15人と発言しました】 ちなみに馬毛島の住民登録の変遷はこちら 実際に人は住んでいなくても、過去に居住者がいた、との事で、「人口がピークよりも、40%以上減少している」と言う要件を満たし、事実上、無人島の馬毛島を、「特定有人国境離島」にする事が可能になる。 国勢調査時だけ、三ヶ月、無人島に一人でも居住の実態を作り出せば、この要件はどこでもクリアできる事になります。 かなり事前に、この計画を進める為の下準備が、行なわれていたのでしょう。 厚木での訓練で散々、住民を苦しめた結果を受け、そこから1200キロ離れた場所に施設を作ったにも関わらず、わざわざ、それを鹿児島の有人離島のすぐ側に持って来る理由は? 防衛省は、硫黄島からの移動の理由を「天候」の問題と言います。台風などの天候にも左右される、と。しかし、種子島も屋久島も、台風の通り道として有名です。天候は理由にはなりません。 本続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』