「キャッチボールやサッカーはダメなんですか。」鳥栖公園(仮称)づくり検討会の一員であり、公園予定地のすぐそばに住む初老の男性が発言した。
令和6年春に誕生する鳥栖公園(仮称)は、11月23日の検討会が第3回目。「遊具のたくさんある公園」「子どもから高齢者まで誰もが利用できる公園」などのコンセプトを掲げ、今日は詳細な設計についての議論を行うはずだった。
しかし、男性が「子どものための公園じゃなかったのか」といった根本的な投げかけをおこなったことで、再度、原点に戻って議論をしようという雰囲気を生んだのは事実だろう。
さて、現代社会は本当に子どもが生きにくい社会だ。
公園でサッカーをしたりキャッチボールをしたりすれば、近所の方々から怒鳴られる、しかたなく道路上でキャッチボールをしても警察に通報される、サッカーもダメ、バスケもダメ!中には、公園の子どもの声がうるさい、部活動の中学校生徒の声がうるさいので黙らせろ!など、私の事務所にも子どもの声に対する苦情をいただくことは少なくない。
社会全体が子どもに対する許容を失いつつある現代、鳥栖公園(仮称)づくりにも大きな影を落とすのではないかと懸念していた私にとって、公園の近隣に住む方々から子どもの自由な活動を保障する発言が飛び出したのは本当にうれしかった。
検討会後には近隣の方々から、「フェンスを高くしていただければ、子どもたちがボール遊びをすることを反対しているわけではない。」といった発言もあり、もう一度根本的な議論をやり直すことになる。いい議論につながりそうだ。