区役所ハローワークの取り組みで生活保護受給者減少

生活保護受給者は平成20年度後半から大幅な増加傾向が続いていたが、平成26年度より15歳~64歳までのいわゆる稼働年齢層について、減少傾向となっている。これは、各区役所に設置された「一体的就労支援コーナー(区役所ハローワーク)」における区役所とハローワーク等関係機関との一体的な取り組みによる就労支援事業の成果だ。

■ 区役所における一体的就労支援コーナー(区役所ハローワーク)
市内の生活保護受給者等に対する効果的な就労支援を図るため、名古屋市が行う就労支援及び厚生労働省愛知労働局が行う職業相談・紹介業務を一体的に実施する事業について、各区役所に常設型窓口を設置し実施している。平成30年10月1日には新たに厚生労働省から設置認可をいただき、守山区役所3階内に名古屋市内15か所目となる区役所ハローワーク「守山区一体的就労支援コーナー」が設置された。

なお、就労支援コーナーはヨコイの提案により平成25年1月に南区役所で第1号が設置されている。
〇 平成24年度 南区役所(平成25年1月)、中村区役所(平成25年1月)
〇 平成25年度 北区(平成25年10月)、中川区(平成25年10月)、西区(平成25年11月)、港区(平成25年11月)、昭和区(平成26年1月)、緑区(平成26年1月)
〇 平成26年度 熱田区(平成26年7月)、天白区(平成26年7月)、千種区(平成26年8月)、名東区(平成26年8月)、中区(平成26年10月)、瑞穂区(平成26年10月)
〇 平成30年度 守山区(平成30年10月)
※ 東区役所には設置されていない。

■ 事業概要
区役所民生子ども課職員が生活保護受給者等と事前相談を行い、就労支援が必要と認められる方についてハローワークの就労支援コーナーをご案内し、ハローワークの相談員による職業相談・紹介を一体的に実施する。

■ 区役所におけるハローワークとの一体的就労支援事業の実施状況
平成26年度 2,772人に支援を実施、1,297人が就労決定(就労率46.8%)
平成27年度 3,311人に支援を実施、1,528人が就労決定(就労率46.1%)
平成28年度 3,183人に支援を実施、1,457人が就労決定(就労率45.8%)
平成29年度 3,142人に支援を実施、1,538人が就労決定(就労率48.9%)
平成30年度 3,192人に支援を実施、1,573人が就労決定(就労率49.3%)

就労支援の取り組みとしては、就労に関する専門的な資格を有する就労支援員を53名各区役所・支所に配置し、ハローワーク等の関係機関と協力し、支援対象者の状況にあった就労支援を実施し、大きな成果を上げている。平成30年度には、所要経費3億円を上回る4億1千万円の扶助費削減効果があった。

今後は、生活保護を受給している高齢者や障がい者の方々等、これまで就労支援の対象外とされてきた方に対しても、多様な働き方を通じて本人等の生きがいにつなげ、生活を豊かにする観点を踏まえて就労支援を行っていく必要がある。
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横井利明
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