総務環境委員会所管事務調査「本市の人権に対する認識」①

名古屋城天守閣の木造復元に伴うバリアフリー対応について、6月3日(土)に名古屋市観光文化交流局が開いた討論会で、障害のある人に対する「差別的発言」が繰り返されたばかりでなく、そうした発言に市民から拍手が起こったり、主催者である名古屋市が差別的な発言を制止したり被害者に何ら対応をしなかった問題について、横井利明の提案(6月6日)により、総務環境委員会で6月14日、「本市における人権に対する認識等について」と題した所管事務調査が行われた。

まずは自民党名古屋市会議員団を代表して行われたくずや利枝議員(自民・名東区・1期)の質問をそのまま紹介する。あわせて、ふじた議員(自民・瑞穂区・7期)の質問・答弁要旨も紹介したい。

くずや議員
今回の件について、本市の人権施策を総合的に推進するスポーツ民局としてどう考えているか。
人権施策推進室長
本市が主催する会合において、差別用語、差別的表現を含む人権への配慮が欠けた不適切な発言があり、主催者である市として、発言の制止や人権に配慮した発言をされるような啓発を行うことができず、そうした職員の人権意識への疑念を抱かせるような会運営により、傷つけてしまった方々への謝罪等が速やかになされなかったことは非常に残念であり、人権施築を推進する部署として、私どもも大いに反省すべきだと認識しております。

くずや議員
今回のような人権課題が生じたときに相談等の窓口はあるか。
人権施策推進室長
今回では、「名古屋市障害者差別相談センター」が相談窓口となると思いますが、人権課題全般といたしますと、伏見にございます「なごや人権啓発センター」において、人権問題に関する相談をお受けし、相談内容に応じた専門相談機関等のご案内や、情報の提供を行っております。

くずや議員
相談に対する情報提供や個別の相談窓口の案内が限界ということか。人権擁護に関する法令はないのか。
人権施策推進室長
「障害者差別解消推進法」や「ヘイトスピーチ解消法」、「部落差別解消推進法」といった個別の法律はございますが、人権課題を包括する法令はないと認識しております。

くずや議員
法令がないため、本市の人権施策は、本日の資料にある「なごや人権施策基本方針」をもとに実施しているということか。
人権施策推進室長
1948年採択の世界人権宣言、日本国憲法の基本的人権の尊重を大原則として、本市においては、資料にございますように「なごや人権施策基本方針」の基本理念の実現のため、各施策の推進を図っております。

くずや議員
愛知県は昨年、「愛知県人権尊重の社会づくり条例」を制定、施行したが、本市にはそのような条例はないのか。
人権施策推進室長
本市は、「障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消条例」はありますが、委員ご指摘の愛知県条例と同様な人権課題を包括した条例はございません。

くずや議員
本市には、愛知県のように人権を擁護するような条例は必要ないのか。
人権施策推進室長
今回の件をしっかりと受け止め、県条例の運用状況や運営上の課題、また、他都市の状況等を調査、分析し、人権課題の解消推進に関し、条例も含め今後検討していきたい。

くずや議員
今回のケースを教訓としてしっかり受け止めるのは当然だが、翻って、本市の着実な人権施築推進を図るためにも、他の先行事例などもしっかり勉強していただき、条例の制定等を検討してもらいたい。

くずや議員
今回の重要な点として改めてお聞きする。今般の件を経て失墜した市民からの信頼をどのように回復するのか。
人権施策推進室長
まずは市の人権についての理解をより深め、自分事として捉えられるような研修とするなど、人権意識の醸成に真摯に取り組むとともに、あらゆる機会を通して市民の皆様に本件に対する対応等をしっかり説明させいただきつつ、普段の業務遂行の中で市全体として信頼の回復につなげてまいりたいと思います。

ふじた議員
そもそも今回の問題の根本原因は何か。
スポーツ市民局長
今回の件について鑑みると、職員は採用から様々な機会において人権について研修で学んでいます。しかしながら、そうして得ているはずの知識が、いざこうした事態に直面した時、人権尊重の観点に立った具体的な行動ができなかったということは大いに反省しています。
そうした危機感から、12日に市の全局長を集め、本件の状況や課題を共有するとともに、他局の問題ではなく、市職員全体の問題、自分事としてとらえていただき、適切な対応を図るようまずもって依頼したところです。
市職員として、人権について知識を得ているということにとどまるのではなく、市民の人権を擁護する立場として、人権尊重の課題に直面した際に具体的な行動を起こすことができなかったこと、そうした意識・感覚の醸成を行えていなかったことだと考えております。

ふじた議員
今後の対応をしっかり検討するためにも、当事者でない、市の人権施策推進部局であるスポーツ市民局が中心となって、健康福祉局とも連携しながら、本件について、職員の意識や対応等を含め、会の在り方を調査、検証し、今後の対応等を検討すべきと考えるが如何か。
スポーツ市民局長
人権施策を推進する本市として、健康福祉局と連携して当局が責任をもって調査、検証し、今後の対応について検討してまいりたい。
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横井利明
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