さて、指定都市には人口が集中し、産業・経済活動が高度に集積している。少子高齢化の急速な進行や、グローバル化の進展、地球環境問題の顕在化、高度情報通信社会の進展などの社会的潮流に的確に対応するとともに、生活保護受給者の増加や大規模災害への対応、老朽化する都市基盤の更新など、新たな行政課題にも積極的に取り組むことで、引き続き全国の諸都市をリードし、最先端の地方行政を担っていく役割が求められている。
さらに、国際的なコンベンションやイベント・スポーツ大会の招致・開催、歴史的文化遺産の保存整備などにより集客交流機能を高め、積極的な情報発信を行うなど、それぞれの圏域における中枢都市として、政治、経済、産業、金融、文化、情報、交流などの各分野において、都市圏全体の活性化、発展のための“けん引役”としての役割を果たしている。
しかし、指定都市には、「事務配分上の特例」、「関与の特例」、「行政組織上の特例」、「税財政上の特例」の 4 つの特例が一般市とは異なり設けられているものの、そのために必要な税制措置がなされておらず、税源配分が役割分担に対応していない。真の分権型社会を実現していく中で、必要な財源について、国から指定都市への税制上の措置を講ずることを求める予定だ。