厳しい経営状況が続く福祉有償運送

福祉有償運送とは、身体障害者や要介護者など、単独ではタクシー等の公共交通機関を利用することが困難な方に対して、NPO法人、公益法人、社会福祉法人等が実費の範囲で、営利とは認められない範囲の対価によって乗車定員11人未満の自家用自動車を使用して会員に対して行うドアー・ツー・ドアーの個別輸送サービスのこと。

福祉有償運送を実施するには、道路運送法による「登録」が必要。これまでは、道路運送法第80条の例外許可として通達(ガイドライン)に基づいて運用されていたが、平成18年10月1日に道路運送法が改正され、法第78条第2項に規定する「自家用有償運送」の一類型として法律に基づく制度となっている。

さて、利用料金、いわゆる運送の対価はタクシー料金の概ね1/2とすると定められているが、月の売り上げから車の維持費や運転手の人件費などを引くと赤字となっているのが実態だ。利用が不定期であり、利用者も移動困難者に限られていることから、採算が取れないなどの理由で、名古屋市内でも次々に事業者が撤退しているのが現状だ。共同運営する介護事業所等が穴埋めしているところも多い。

南医療生活協同組合では、「おかげさまみなみ」という福祉有償移送サービスを提供している。市内で残された数少ない福祉有償運送事業者だが、10年間毎年1,000万円もの赤字を出しながら、移動困難者の足を支えるためにと事業を継続してきた。累積で1億円弱の赤字は南医療生協が支えるが、福祉有償運送からの撤退を視野に入れているのも事実。単独ではタクシー等の公共交通機関を利用できない方々の足をいかに守るのか、令和6年度当初予算の編成にあたり、横井利明も関係局に粘り強く要望活動を続けている。
PR
横井利明
PR
minami758をフォローする
政治家ブログまとめ