見晴台遺跡(南区)は、名古屋市南区見晴町一帯に広がる弥生時代後期から古墳時代にかけての集落跡を中心とした遺跡。集落の周りには幅4m、深さ4mもの大きな濠をめぐらし、濠の内側では、これまでに220を超える数の竪穴式住居が確認されている。たくさんの土器のほか、銅鐸のかけらなどもみつかっている。
また、見晴台遺跡では、1960年代から夏休み中に中学生以上の市民ボランティアによる発掘をおこなっており、私も中学校2~3年生の夏休み、2年間にわたり市民発掘に参加。土器やシカの骨などを見つけた。
さて、見晴台考古資料館は、見晴台遺跡に関する資料収集・調査研究・展示を行う遺跡博物館として設置された。1979年(昭和54年)に開館したが施設の老朽化も進んでいるのが実情だ。私が知る限り訪れる方々も決して多いとはいえず、イベント以外で考古資料館で見学者を見つけることはほとんどない。
■ 見晴台考古資料館入館者数
令和2年度 12,381人(うち団体は0人)
令和3年度 16,749人(うち団体は17団体867人)
令和4年度 18,584人(うち団体は39団体1,353人)
「歴史の里しだみ古墳群」に2019年4月1日古墳を巡る拠点施設としてオープンした「体感!しだみ古墳群ミュージアム」は、年間入場者数が10万人にのぼる。見晴台考古資料館の6倍の入館者数を誇る。
■ 見晴台考古資料館令和4年度決算
見晴台考古資料館の運営 1,925万円
■ 見晴台考古資料館令和4年度事業実績
(1) 展示会(通年)
(2) 映画会12回
(3) 刊行物(年報・研究紀要・展示の記録)
しかし、近隣の方々でも「見晴台考古資料館」の存在を知らない人は少なくない。「そんなのがあったなんて知らなかった。」などの声をよく聞く。そこで、名古屋有数の遺跡である「見晴台遺跡」にひとりでも多くの方々に足を運んでいただき、地域に誇りと愛着を持ってほしい。そんな願いから民間の方々の知恵と工夫を取り入れた「見晴台考古資料館まつり」の実施の検討をおこなった。