審査の焦点は「現天守閣解体に伴う石垣への影響に対する評価」

名古屋市が文化庁に提出していた「名古屋城現天守閣の解体にかかる現状変更許可申請」は、5月17日に開催された文化審議会に諮問され、現在、調査部会で審査が行われている。審査の結果は6月21日にも文化庁から名古屋市に伝えられる見込みだ。

さて、今回の審査の焦点は「現天守閣解体に伴う石垣への影響に対する評価」。「特別史跡名古屋城の本質的価値は石垣にある。」とされる中、石垣の棄損は何としても避けたい文化庁と石垣には配慮しつつも現天守閣を解体し木造復元をしたい名古屋市との間で、さまざまなヒアリングが展開される見込み。

一方、「石垣や地下遺構の調査がまだ行われておらず、現況把握ができていない中での工事計画において、石垣への影響が軽微であるという結論が導き出されているのは承服しがたい。そのような調査を実施するための職員も不足しており、現天守閣解体に関する工事計画を推し進めることは容認できない。」とするわが国を代表する石垣の専門家による有識者会議「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会(石垣部会)」の意見がどのように審査に反映されるのかにも注目が集まる。

名古屋市は「名古屋城現天守閣の解体にかかる現状変更許」を得れば、ただちに天守閣解体に向けた準備にとりかかる構え。しかし、仮に認められなかった場合、工期は名古屋市が目指す2022年には間に合わず(すでに厳しいが...)、スケジュールの大幅な変更、または計画の抜本的な見直しを迫られることになる。
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横井利明
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