平成28年11月に消費税法および地方税法の一部が改正され、令和元年10月1日に消費税・地方消費税の税率が10%に引き上げられた。10%のうち2.2%は県税として愛知県の収入となり、その2分の1は名古屋市に交付される。消費税の増税によって、国税のみならず地方税収も増える仕組みだ。
消費税の増税に伴い、地方消費税交付金は大幅な増収となる。名古屋市においても、令和2年度は対前年度比85億円の増収を見込む。さらに、地方消費税の影響が平年度化する令和3年度には地方消費税交付金は600億円の大台に乗る見込みだ。
しかし、地方消費税交付金が大幅に増加しても、市長が地方消費税交付金を無駄遣いをすることは法律上できない。消費税法および地方税法により、消費税・地方消費税ともに引上げ分は、全世代を対象とする社会保障の充実と安定のために使わなければならないと使途が明確に限定されているからだ。例えば、待機児童の解消、3歳から5歳までの幼児教育・保育の無償化、介護職員の処遇改善、所得の低い高齢者の介護保険料の軽減、所得の低い年金受給者への給付金の支給など。ただ、お金に色はついておらず、議会にチェックが求められている。
■ 地方消費税交付金の推移(名古屋市)
平成22年度 270億円
平成23年度 268億円
平成24年度 269億円
平成25年度 266億円
平成26年度 317億円◀消費税5%→8%
平成27年度 503億円
平成28年度 452億円
平成29年度 464億円
平成30年度 476億円
令和元年度 463億円◀消費税8%→10%
令和2年度 548億円
令和3年度 600億円(見込み)
■ 消費税のうち国税分・地方税分内訳
・消費税10%(標準税率)
消費税率 7.8%
地方消費税率 2.2%
・消費税8%(軽減税率)
消費税率 6.24%
地方消費税率 1.76%