区役所窓口における行列は電子申請で解消可能

例年、年度末・年度始め(3月から4月にかけての期間)の区役所市民課窓口は大変混み合い、1時間以上、お待ちいただいているのが実情だ。しかし、今年ばかりは新型コロナウイルス感染症の拡大で、そもそも区役所のような密閉された空間に、多くの方々が密集すること自体が感染のリスクが高い。にもかかわらず、感染リスク解消のための具体的な手立てはなされていない。

一方、名古屋市を除くすべての政令市、また多くの市区町村は、マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)を利用して市区町村が発行する証明書(住民票の写し、印鑑登録証明書等)を全国のコンビニエンスストア等のキオスク端末(マルチコピー機)から取得できるサービスを導入している。さらに、一部の市町では、電子申請・届出システムを利用してあらかじめ申請や届出を行うことにより、窓口で申請書を記載することなく転出届(特例転出届)をすることが可能となっている。紙の証明書をコンビニで印刷するだけで、届出と事務処理は紙で行う必要があり完全な電子化ではないものの、少なくとも、これらの自治体では、自治体窓口における行列による感染リスクを大幅に低減することが可能だ。

一方、世界に目をやると、高度な住民サービスをデジタル技術で具現化する国々は少なくない。デンマークでは、2001年にはIDとパスワードを用いたデジタル署名、2004年には電子決済、2007年には市民ポータルを介する国民と政府のデジタルコミュニケーション、2011年には国政選挙の投票、2016年には不動産の登記、企業情報の提供なども可能となった。国民に提供される市民ポータル「borger.dk」では、あらゆる公共部門のサービスが利用可能となり、AIを活用した苦情の申請や、離婚手続きなどもオンライン化されている。

区役所や市役所の窓口で行列をつくることなく、在宅のままさまざまな手続きや申請が可能となる電子市役所の取り組み。新型コロナウイルス感染症の機会をとらえ、その歩みを確実にしたい。
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横井利明
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