愛知県緊急事態宣言を受け名古屋市子ども青少年局は、4月10日、市内各保育所、認定こども園、特定地域型事業所(以下保育所等)に対し、「愛知県緊急事態宣言発出に伴う保育所等の対応について」を発表した。
■ 名古屋市から保育所に対する通知
〇 緊急事態宣言を受けての基本方針
新型コロナウイルス感染症が当該保育所等で発生した場合を除き、保育所は開所を継続する。
〇 緊急事態宣言を受けての対応
家庭での保育が可能な場合、できる限り登園を控えていただくことを依頼
〇 保育料の取り扱い
当園を控えた日数に応じ減額
〇 取扱い期間
5月6日まで
他都市でみられるような「保護者が医療従事者や介護、消防、警察の関係者など真にやむをえない場合のみ、保育所に子どもを受け入れる」といった限定的な受け入れではなく、保護者が家にいる場合には自粛するという緩やかな対応を名古屋市は選択した。
私どもが経営する保育園でも、4月13日(月)から5月2日(土)までの保育に関する緊急アンケートをオンラインで実施。即日回答のあった保護者102人における「緊急事態宣言」中の保育の意向は以下の通り。
■ 「緊急事態宣言」中のお子様の登園について
〇 回答数 102人
〇 「緊急事態宣言」中の保育の自粛要請について
・自粛する 48人 (47%)
・保育を希望する 54人 (53%)
元来、保育園にお子さまを預けるご家庭は、共働きやひとり親世帯が多い。もちろん、会社を突然休むことは難しく、名古屋市の緩い登園自粛の呼びかけに応ずる保護者の方はかなり少ないだろうと考えていたが、47%の保護者が登園自粛すると回答した背景には、新型コロナウイルス感染症に対する警戒感がかなり浸透していることが読み取れる。また、保育を希望すると回答した中にも、登園を最小限にとどめるといったご家庭も多かった。
一方、保育士の中にも子育てをしながら保育という仕事に取り組んでいる方は多い。「保育所は開所を継続する」という名古屋市の決定があった以上、「緊急事態宣言」中も毎日、保育園を開所しなければならないが、一方で、子育てや介護に追われる保育士に対する行政側の配慮があまり見られないのは残念なこと。保育園を運営する側として、いかに保護者を支援しつつ、保育士の家族や安心安全を保障していくのかという非常に難しい対応に迫られている。
保育士は日々、保育室内の消毒に多大な時間と労力をさき、また子どもたちの健康観察にも細心の注意を払いながら、一方で、自らの健康管理に気を付けつつ保育に取り組んでいる。少なくとも、ワイドショーであったような「たくさんの命を預かっている先生なんだよってことを本当に自覚してほしい」などという保育士バッシングだけはやめてほしい。