真夏の名古屋の風物詩「にっぽんど真ん中祭り(通称:どまつり)」。今では日本最大級の踊りの祭典として、名古屋の夏の観光を支えるまでに成長した。国内外から約200チーム20,000人が地域色豊かな踊りを披露し日本各地の伝統、文化が一堂にナゴヤに会する。
8月末の「どまつり」の期間中、名古屋の街は華やかなお祭り一色に生まれ変わる。全国から集まったチームが情緒ある地域文化をリズミカルにアレンジした音楽にのせて、華やかな衣装や目を見張るほどの演出を繰り広げ、踊り手ひとりひとりの素敵な笑顔が見ている人に元気や感動を与えてくれる誰でも参加できる市民参加型の新しいスタイルのお祭り。それが「どまつり」。
しかし...
その「どまつり」が揺れている。
YOSAKOIソーラン祭り、ねぶた祭、仙台七夕まつり、博多どんたく港まつり、浅草サンバカーニバルなど、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、本来ならまちの活力そのものであるはずの「まつり」が各地で中止され、今、日本最大級の祭典である「どまつり」が開催できるのか否かに日本中の関心が集まっている。
「どまつり」における4日間の来場者数は約200万人。「観客動員ゼロ=全員参加型」の祭りをコンセプトに掲げるがゆえ、市内ではどこもかしこも「密」が生まれる。主催者も開催すべきかどうか頭を悩ませる。
公益財団法人にっぽんど真ん中祭り文化財団水野孝一専務理事は、「どまつり」ホームページの中で、「祭りが開催できる環境とは、第一に『安全』であること。第二に『復興の起爆剤』として、県民・市民から開催が期待されること。この二つの条件を満たさない限り、祭りの開催はあり得ません。そして、これを満たしていることを判断するために、感染症、災害・救急医療、観光の専門家、さらに行政も加えた第三者機関を設置します。結論だけでなく、その根拠となるプロセスも開示する方針です。」と明記。決定までのプロセスを透明感をもって進めたいという強い決意に、踊り子さん、観客、市民の皆さんとともに、常にまっすぐに進むという「どまつり」らしさをあらためて感じた。
なお、有識者など第三者機関による開催の可否の決定は5月中下旬を予定している。