コロナウイルス感染症患者の受け入れで病院経営圧迫

医療崩壊の足音が近づいている。

とはいっても、新型コロナウイルス感染症の患者が病院に殺到し、病床が不足するからではない。新型コロナウイルス感染症の治療は入院期間が長く、人手がかかる一方で、重症患者を受け入れる場合には常に感染のリスクを抱える。また、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れで、一般の患者の医療抑制が働き、病院経営が成り立たなくなっている。

そこで、4月21日早朝から、A病院の「発熱外来」の受け入れ状況を視察するとともに、病院長始め病院幹部の方々から新型コロナウイルス感染症患者受け入れによるさまざまな影響についてお話をうかがった。

同病院では現在、10名をこえる新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れている。重症患者には24時間ドクターがつきっきりになるほか、感染防止の必要から患者ごとに防護服や防護マスク、防護キャップ等を着替えなければならない。また、これら医療物資は基本的に使い捨て。手間とコストが重くのしかかる。

また、付属の老人保健施設の新規受け入れを停止。スタッフを感染病棟に移動させることで人材を確保している。

一方、国においても新型コロナウイルス感染症の診療報酬を倍増するなど対策を進めてはいる。しかし、それ以上にコストが重くのしかかること、コロナ患者を受け入れていることによる風評被害で、A病院の一般外来には診療抑制が働き外来収入は30%減少。昨年度に比し10億円程度収益が圧迫している。このままの状態が続けば、医療スタッフの人件費もままならない状況が予見されるという。

まずは国において、診療報酬をさらに上乗せする必要があるが、地方自治体においても、患者を受け入れる医療機関職員に対する人件費の支援など早急に検討しない限り、各医療機関はコロナ患者を受け入れたくても受け入れることができない状況に陥りそうだ。
PR
横井利明
PR
minami758をフォローする
政治家ブログまとめ