市政に関することであれば、誰が何を質問してもいいのが本会議。しかし、そこには一定の紳士協定がある。「他の議員が取り組み実現した施策については、該当議員の取り組みを横取りするような質問は遠慮する。」
そりゃそうだ。どの議員も一つの施策を実現するため、該当施策の調査や他都市の状況、法令等の整理、国の施策との調整や関係者の意見の集約、関係当局との協議や財政当局との財源など涙ぐましい努力を必要とする。実現した途端、他の議員が本会議で質問し、あたかも横取りするような行為については遠慮するというのが長年の慣例となっている。
さて、自民党市議団の斉藤たかお議員(中村区選出)が取り組んできた「新型コロナウイルス感染症対策事業基金」。市民らから寄付を募って、新型コロナウイルス帰国者・接触者外来を実施する医療機関に対し、外来受診者1人当たり35,000円を補助する財源などの対策事業に充てる基金の創設に尽力してきた。医療関係者の提言を受け、市長や関係当局等の調整も一人でかってきた。
しかし、いよいよ予算化の段階になって、減税ナゴヤ市議団幹事長が横やりを入れた。「減税市議団の代表質問で基金の創設を取り上げる。」
確かに、減税ナゴヤは政策面で全く打ち出すことができず焦りもあったに違いない。しかし、調査や分析、検討、調整の積み上げが本会議の質問につながっていくと考える私たちにとって、ありえない事態。ましてや、昨年度も自民党が調査、調整、意見集約ののちに実現に向かっていた施策を、同議員が質問すると言い張ってトラブったばかり。
すでにコロナ対策関係の関連議案はすべて可決し、予算等には影響はないとはいえ、いずれにしてもあまりに幼稚な事態での議会空転に「もういいかげんにして」。