特別定額給付金遅延がマイナンバーと個人口座ひも付けの追い風に?
特別定額給付金遅延がマイナンバーと個人口座ひも付けの追い風に?
6月15日、ようやく「特別定額給付金のお知らせ」が届いた。市は6月15日までに全戸発送を完了するとしていたが、その説明からするとわが家は最終便ということになる。多くの市民の皆さまから、「10万円はまだか~」「名古屋は遅い~」などの苦情をいただいていたが、ようやく苦情から解放されることになりそうだ。
さて、名古屋市の担当者に「お知らせ」が遅くなった理由をうかがうと、「業者に委託していたシステム構築に3週間程度要した。」「名古屋市は113万5000世帯と対象世帯が多く人手や作業量が多くなり申請書の作成・発送作業に時間がかった。」と原因を説明しているが、多くの市民は決して納得していない。
一方、自民党・公明党の与党2党に加え日本維新の会の3党は、6月8日、共同提案として「特別給付金等の迅速かつ確実な給付のための給付名簿等の作成等に関する法律案」を国会に提出した。この中で、個人の申し出によって、マイナンバーカードと銀行口座情報をひも付けることが盛り込まれている。さらに高市早苗総務大臣は、「口座の登録が一部の方にとどまっては、特別給付金の支給の迅速化につながらない」「行政からのさまざまな給付を受けるために利用する一生ものの口座情報をマイナンバーにひも付けることを義務化する法案の準備を進める。」と明言。大臣の発言通り進めば、マイナンバーカードと銀行口座情報をひも付けることで、今回のような給付金があった場合、申請の手間も軽くなり、給付の迅速化が目指せそうだ。
一方、個人の資産状況を国が一元的に把握できることにもつながるマイナンバー制度と個人口座のひも付けに対しては、国民監視につながりかねず個人情報流出の恐れもあるとの懸念が根強かったが、「特別定額給付金のお知らせ」の遅延への国民の怒りもあり、一気に国民的な合意がなされそうな雰囲気となっている。国や行政のICT化の推進は必要だが、今後、マイナンバーを国民の全資産管理に活用する可能性は高く、国や地方自治体でも議論を十分進める必要がある。
特別定額給付金は申請してから2~3週間で指定口座に振り込まれるそうです。