なかなか進まない名古屋市のアセットマネジメント (1)

今後一層進むとされる少子高齢化や人口減少社会を迎える中、将来にわたって名古屋市が必要な行政サービスを提供していくには、健全で強固な財政運営を推進し、持続可能な財政を維持していくことが重要となる。そのためには、財政見通しも明らかにしながら、福祉、医療、子育て、教育等の様々な市民サービスをはじめ、道路・橋りょう等の新たな公共投資や既存公共施設の保全・更新を、限られた財源の中で、効果的・効率的に進める視点と、「選択と集中」という視点の両面から、行政サービス全体のあるべき水準を検討していく必要があり、公共施設も例外ではない。

国においても、「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針」の改訂通知があり、中長期的な経費や財源の見込み、計画期間における公共施設等の数や延床面積等の数量に関する目標等について、地方公共団体の計画に記載することが求められている。

■ 具体的な取り組み
少子高齢化や人口減少社会において、将来必要となる行政サービス水準に応じた数量に関する目標を設定し、児童数の減少に合わせた小中学校の統合、人口減少に見合った公営住宅のあり方、公共施設の新規整備の見直しや統合・廃止、用途廃止施設の土地・建物の有効活用、官民の役割分担等のアセットマネジメントの推進など、踏み込んだ取組を進めていかなければならない。

しかし「選択と集中」といった取り組みは、市民に提供する行政サービスにも影響を及ぼすことから、当然、市民への情報提供や丁寧な説明が必要となる。しかし、市民からの批判等が避けられないことから、なかなか行政マンも重い腰を上げることができないのが実情だ。一方で、市民や議会からの行政サービス維持への要望、市長のハコモノへのこだわりにより、名古屋市の所有する公共建築物の延べ床面積は年々増加しており、アセットマネジメントを掲げる一方で、理想と現実が大きく乖離しているのが名古屋市の実情といえる。なかなか進まない名古屋市のアセットマネジメント、どこに原因があるのか。
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横井利明
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