堀留下水処理場旧施設の埋め立てが始まった

IMG_7652名古屋市下水道課は、今日と同じように微生物を利用して各家庭や工場からの排水をきれいに浄化してから河川等に放流する下水処理法である「活性汚泥法」による下水処理システムを研究。昭和5年(1930年)に日本で初めてとなる「活性汚泥法」による下水処理場を堀留(中区)に完成させた。これは、1914年に世界で初めて「活性汚泥法」を実用化させたロンドンの下水処理施設を参考に独自の開発をしたもの。

IMG_7651昭和5年10月の供用開始以来、中区、東区、千種区、昭和区の各一部の下水の浄化を行い、また、新堀川の貴重な水源として、名古屋市の水環境向上の一翼を担ってきた。昭和48年には急激な都市化への対応と市民生活向上を目的として、西側の公園地下に新しい下水処理施設を完成するとともにその役目を終えている。

IMG_7654さて、8月21日には、インターン生の山家さん、山口君とともに、堀留下水処理場旧施設を視察した。内部に入ると、まるでイタリアの遺跡のよう。よく90年も大切に保存されてきたものだと感動する。

しかし、2年ほど前から堀留橋の耐震改修工事に合わせ、名古屋高速道路や若宮大通直下まで伸びていた堀留下水処理場旧施設のうち、「送風機室」「沈殿池」のすべて、「反応タンク」「低区反応タンク」の一部などをすでに埋め立ててしまった。現在は「最終沈殿池」「低区最終沈殿池」「高区最終沈殿池」と「反応タンク」「低区反応タンク」の一部などが当時のまま残されている。

IMG_7656なお、大正11年3月に運用を開始したわが国最初の近代下水処理場「旧三河島汚水処分場喞筒場施設」は高い歴史的価値が認められるとして、平成19年12月4日に下水道分野の遺構では、初めて国の重要文化財(建造物)に指定されている。「堀留下水処理場旧施設」もその歴史的価値が高いとしてすでに文化庁による視察も行われており、ぜひ、国の重要文化財への指定を進めたいものだが、一方で、栄と大須を結ぶ結節点にあることから、開発圧力も強く、せめて残った部分だけでも保存できないものかと願う。

※ 最下段写真はすでに埋め立てられてしまった「反応タンク」。
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横井利明
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