さて、8月21日には、インターン生の山家さん、山口君とともに、堀留下水処理場旧施設を視察した。内部に入ると、まるでイタリアの遺跡のよう。よく90年も大切に保存されてきたものだと感動する。
しかし、2年ほど前から堀留橋の耐震改修工事に合わせ、名古屋高速道路や若宮大通直下まで伸びていた堀留下水処理場旧施設のうち、「送風機室」「沈殿池」のすべて、「反応タンク」「低区反応タンク」の一部などをすでに埋め立ててしまった。現在は「最終沈殿池」「低区最終沈殿池」「高区最終沈殿池」と「反応タンク」「低区反応タンク」の一部などが当時のまま残されている。
なお、大正11年3月に運用を開始したわが国最初の近代下水処理場「旧三河島汚水処分場喞筒場施設」は高い歴史的価値が認められるとして、平成19年12月4日に下水道分野の遺構では、初めて国の重要文化財(建造物)に指定されている。「堀留下水処理場旧施設」もその歴史的価値が高いとしてすでに文化庁による視察も行われており、ぜひ、国の重要文化財への指定を進めたいものだが、一方で、栄と大須を結ぶ結節点にあることから、開発圧力も強く、せめて残った部分だけでも保存できないものかと願う。
※ 最下段写真はすでに埋め立てられてしまった「反応タンク」。