食品リサイクルの環をつなげ

バイオプラザなごや熊本清掃社「バイオプラザなごや(名古屋市港区)」は、廃棄された食品から肥料を作る日本最大の生ごみ資源化施設。1日の処理能力は326トンにのぼる。同施設では、名古屋市内のスーパーや飲食店、学校給食残さなどの生ごみを受け入れ、名古屋市⼀般廃棄物処理基本計画が求める事業系生ごみの資源化に大きく寄与してきた。また、私自身、「バイオプラザなごや」の理念や先進性、持続可能な社会システムに対する姿勢には共鳴するものがあり、わずかではあるものの、私の経営する保育園の給食残さも長年にわたり、「バイオプラザなごや」を通して生ごみの全量たい肥化に努めてきた。

しかし、基準超えの汚水を海に排出したとして水質汚濁防止法違反罪で摘発され、廃棄物処理法に基づく名古屋市の許可が取り消されたことで、「バイオプラザなごや」における⽣ごみの受け⼊れは停⽌。資源循環型社会を目指した食品のリサイクルの環が途切れてしまった。一方、⾷品リサイクル法上のリサイクル率を達成していた多くのスーパーや飲食店、小売業者なども、リサイクル率の達成が困難となっている。さらに、名古屋市第5次⼀般廃棄物処理基本計画で求めていた事業系生ごみの資源分別率を34%→50%まで引き上げる目標達成についても、極めて甚大な影響を与えている。

「バイオプラザなごや」の許可が取り消されたことで、熊本清掃社自身による事業再開は困難であろうと推察するが、一方、このまま放置すれば、本市における事業系生ごみの資源分別は後退を余儀なくされる。もともと、「バイオプラザなごや」の誘致に市自身がかかわってきた経緯もあり、あらたな事業者探しを含めた食品リサイクルの再構築に向け、本市も一定の役割を果たすことが求められる。
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横井利明
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