早稲⽥⼤学マニフェスト研究所による名古屋市会の議会改革度は、今回調査に参加した1433議会のうち第15位。愛知県内では第1位、政令市では堺市議会(大阪府)に次いで第2位となっている。
名古屋市会のランクが大幅にアップした要因の第一は、今回の議会改革度調査から、議員同士で議論を深める「委員間討議」を常態的かつ積極的に⾏っている議会を評価したこと。通常、議会での議論は議案を提案した当局と議会との間で行われるのが一般的。しかし、名古屋市会では当局の提案に対する各会派や各議員の考え方を確認するため、かなり頻繁に議員間で委員会討議が行われている。
ところが...
議会改革の本丸とも言われている「委員間討議」について、減税日本ナゴヤが「内容通告しないのであれば委員間討議を廃止すること」と申し入れた。
その原因となったのが、7月1日に開かれた財政福祉委員会での委員間討議。ヨコイが議員報酬800万円条例の趣旨説明に対する見解を尋ねたところ、「当会派の委員が事前準備のないままに回答したことで、議事の混乱を招いたことは、誠に遺憾である。」と減税日本ナゴヤが異を唱えたもの。なお、7月1日に開かれた財政福祉委員会で委員間討議をおこなったのは、ヨコイと田山議員(減税日本ナゴヤ)。
減税日本ナゴヤは議員報酬800万円の提案理由として「100億円あった財政調整基金が新型コロナウイルス感染症対策でほぼゼロになってしまったこと」をあげたが、ヨコイは財政調整基金は100億円そのまま残っていると反論。その後、減税日本ナゴヤは提案理由説明を撤回すると言ったり、やっぱり撤回はやめると言ったりして大混乱。誠に遺憾なのはむしろこちら側。
結局、減税日本ナゴヤは「委員間討議の廃止」をちらつかせてきたが、そもそも委員間討論の廃止はまさに議会にとって自殺行為。委員間討論は合意形成を図る大切な「熟議」であることを忘れないでほしい。
■ 委員間討論の意義
地方議会が有する最大の権限は言うまでもなく「議決権」。議員は住民の代表として、「熟議」を通して住民のためによりよい結論を出すことが求められている。そのためには、執行部への質問や質疑だけでなく、また、賛成や反対の一方的な主張だけに終始するのではなく、議員同士が十分に討議(委員間討論)を行い、争点や論点を明確にしたうえで、合意形成を図る必要がある。