大村秀章愛知県知事に対するリコール(解職請求)運動を巡り、愛知県選挙管理委員会は、各市町村から署名数の点検の際に、疑義のある署名が多く見受けられた旨の報告を数多く受けていること、「勝手に名前を使われた」との声が少なくないこと、請求代表者の一部が「不正な署名が80%にのぼる」と主張していることなどから、署名集めが適正に行われたかどうかを調査するとして、各市町村に対し署名の点検・調査を依頼していた。
これに対し、名古屋市選挙管理委員会事務局は「署名を調査するのは違法」との姿勢を崩さず、調査を拒否する姿勢を示していたが、12月22日になって総務省に確認したところ、「地方自治法第245条の4第1項の規定により県から市に対して資料の提出要求が可能であること、提出要求は市の事務の適正な処理に関する情報を提供するためになされるものであり、求める趣旨に照らして必要最小限である必要があるが、趣旨や必要最小限度であるは県が判断する。」として、県による調査依頼を違法なものではないとの判断を示したことから、名古屋市選挙管理委員会は調査拒否の姿勢を一転。12月24日に名古屋市選挙管理委員会を開き、署名簿の全数調査に応じることとなった。
一方、愛知県選挙管理委員会の調査依頼に対し、河村市長は「本当にそんな権限がどこにあるのかね。信じられんですけど」「不正を知りたいからと言って、権力者が入って勝手に調べられるものではない」「調査の法的根拠は何なのか」と不快感を示していた。しかし、署名の8割が偽造との請求代表者による調査や「自分の名前を勝手に使われた」という指摘が相次ぐ中で、「市長の発言は疑惑にふたをするもの」との反発も強い。中には「疑惑の解明を進め再発防止策を講ずるべき市長が調査に反対するのは異常。市長が関与しているのではと疑ってしまう。」といった声も多くいただいている。
■ 今後の流れ
12月24日
名古屋市選挙管理委員会から各区選挙管理委員会に対し、「愛知県知事解職請求に関する署名簿の調査について」、県依頼文のとおり調査を実施するよう通知。
12月25日または28日
各区選挙管理委員会を開催し、県依頼文のとおり調査を実施することを決定。その後、調査を開始し、結果を愛知県選挙管理委員会に通知。