「栄四丁目の繁華街はコロナの感染拡大で瀕死の状態。しかし、この街で働く女性の多くがフィリピンパブで働くフィリピン人。多くが日本語が十分話せない、予約の必要も伝わらない、接種会場で問診表をわたされても日本語が理解できないため問診票が書けない、医師の問診も困難など、接種に至らない可能性が高い。私たちでタガログ語を話せる通訳を雇用するなどできる限りの対策をする。国が進めるワクチンの職域接種ができないだろうか。」こんな相談を6月2日(水)に、栄四丁目で働く同級生からいただいた。
栄四丁目といえば、昨年の新型コロナウイルス第3波による感染拡大でフィリピンパブを中心に相次いでクラスターが発生し、その家族等を介して市内に感染が広がった。その後も、愛知県から休業要請や時間短縮要請が出されるなど、お店を開くことができない状況が続き、「従業員に対する給料が払えない。」「資金が底をついた。」「もう店を閉めたい」といった声が相次いでいた。
しかし、国が進める「職域接種」といえば、企業や大学等において最低2,000回(1,000人×2回接種)単位での接種が可能な職場等が対象。栄四丁目には1,000人以上雇用しているようなお店はないことから、50店舗ほどあるフィリピンパブの連合体で「職域接種」の申請が可能かどうか窓口である愛知県に相談したところ、夜のお店が集まって1,000人以上の接種希望者を集めれば「職域」として認めることが判明した。その後、栄四丁目で接種を希望する店舗を募ったところ、46店舗、約1,000人から参加の希望が出た。
接種会場は栄四丁目にある中区役所ホール(地下2階)、また、医師や看護師、会場スタッフなども目途が立ち、6月16日(水)に無事「職域接種」の申請をおこない、即日、県の審査の結果、ご承認もいただいた。今後、書類は国に回り国の審査を経て、7月10日から毎週土曜日に接種をおこない、8月28日には約1,000人の2回目の接種を終える見込みだ。
また、本日も錦三地区や伏見周辺など他地区から「職域接種」のご相談をいただいている。クラスターが多く発生したこれら地域で地道な接種を進めながら、名古屋市全体としてコロナの1日も早い終息を目指していきたい。