「子どもたちのために1日も早く安心して過ごせる学校を取り戻すため、国が進める新型コロナワクチン職域接種制度を利用して、小中高等学校教職員16,000人を対象としたワクチン接種を夏休み中におこなうことはできないか。」との鈴木和夫市議(自民:南区)の質問に対し、6月24日、鈴木教育長は「夏季休業期間を利用して職域接種を行うことで、副反応等による教育活動への影響が軽減されることが期待される。教職員16,000人への希望者を対象とした職域接種については国の動向を注視しつつ、速やかに調整に着手していきたい。」と答弁。教育委員会としても教職員のワクチン接種に取り組む姿勢を見せた。
教育委員会は6月25日夕方までに、教職員12,000人分のコロナワクチン職域接種を申請。7月半ばから接種を開始し、8月末までに希望する教職員全員の接種を終える予定だった。
しかし厚生労働省は職域接種への申し込みが供給可能量を超える可能性があるとして職域接種の受付の一時停止を発表。すでに申請を提出していた企業等に対しては、8月中にはワクチンを配送できる見通しであることを公表した。
慌てたのは市教委。申請からおよそ2週間程度でワクチンが届くというのが職域接種の建前。7月半ばから接種を開始すれば希望する教職員全員の2回の接種を夏休み中に終えることができると踏んでいたが、厚生労働省からはワクチンの発送は8月9日以降になる見通しと告げられたため、夏休み中の教職員の職域接種は困難になった。市教委は7月7日、厚生労働省に12,000人分のコロナワクチンの申請を取り下げ、教職員の職域接種を断念した。
ただ、7月・8月には自治体の希望の3割しかファイザー製ワクチンが配布されない状況。すでにモデルナ製ワクチンも国には余裕がないとされるなか、8月9日以降、名古屋市に来る可能性のあった12,000人分のコロナワクチンを返上してしまったことはあまりにも残念。教職員を含めた希望する市民を対象とした職域接種の実施を要求したが、市教委は夏休み中に2回接種ができなければ返上するの一辺倒。議会の反対を押し切って、一方的にワクチンを返上してしまった。
私も市教委から依頼され、大同病院(南区)に対して、職域接種への医師の派遣を要請した経緯もあり、本当にがっくり。接種会場のガイシフォーラム(南区)もおさえ、医師、接種のうち手もすべて確保していたにもかかわらず、市教委が断念してしまったのは、責任は国にあるとはいえ極めて残念。のちに、あの時返上しなければよかったとならないことを祈りたい。