8月29日夕におこなった「名古屋城天守閣2022年断念」の記者会見時の市長メモ全文を紹介する。
「名古屋城天守閣の解体にかかる現状変更申請につきましては、現在、継続審議となっており、解体工事に着手できていません。
解体工事に着手できていない現状において、2022年12月の竣工を目指すことは、竹中工務店からも現実的に厳しいとの見解も伺いました。
こうした状況を鑑み、事業を進めていくためには、クリアすべき調査・検討に全力をあげて取り組む必要があると考え、竣工期限を延ばすことといたしました。
クリアすべき調査・検討としては、文化庁から示された確認事項の内容を踏まえ、内堀や御深井丸の地下遺構に関する発掘調査、大天台石垣の孕み出しや石垣背面の空隙の有無に関する検討が必要であると考えており、こうした調査・検討を迅速に進めるためにも、石垣部会との関係を構築し、石垣部会の方針をまとめ、文化庁とも調整を図るよう担当局長に指示しました。また、私自身も必要に応じ、直接、関係者との協議に臨んでいきたいと考えております。
今後、調査・検討を早期に完了することで、必ず解体の現状変更許可がいただけるものと考えており、竹中工務店からは、今後も、史実に忠実な復元を完遂すべく、事業達成に向けた強い決意をいただいておりますので、木造復元に向けて、あらためて全身全霊を傾けてまいります。市民の皆さまには、一層の応援をお願いいたします。
新たな竣工時期につきましては、竹中工務店、文化庁、地元の有識者との協議をさらに進め、皆さまにお知らせできる段階になりましたら、必ず私自身からお知らせいたします。」