ウッドショックで保育所整備に黄信号

膨大な財政出動と低金利政策が取られたアメリカでは、リモートワークで自宅にこもるようになった市民が住宅を郊外に新しく購入したり、リフォームを行ったりする流れが進んだことで、住宅建築需要が急速に伸びている。もともとアメリカでは、虫害や山火事等で原料が不足しており、コロナで製材所の休業を余儀なくされた中にその動きが加わり、世界では建築用木材需要増の結果、木材価格高騰、いわゆるウッドショックが起きている。日本においても、令和3年に入ってから木材価格が上昇し、ちょうど今が価格のピークといわれている。

ウッドショックの影響は木材価格の高騰にとどまらない。石膏ボードや鉄骨、セメントやガラスに至るまで価格の上昇が始まっており、さらに上昇が進めばこの影響は保育所整備にとどまらず、景気の足を引っ張りかねない状況だ。

ウッドショックの影響を受け、待機児童対策として進められていた「賃貸物件を活用した保育所(令和3年度は11か所整備)」の整備に影響が出始めた。このままいくと、自己資金不足から保育所整備ができない法人が出始める可能性も指摘されている。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、保育所への入園希望がやや減少していることから、多少保育所整備が遅れても待機児童への影響は最小限に抑えられる可能性もあるが、コロナ後には再び保育所入所希望が増加する見通しであり、将来的な影響は避けられない見通しだ。

現在、名古屋市ではウッドショックへの対応を見定めている段階だが、対応の遅れが待機児童問題につながったり、コロナ後の景気に甚大な影響を与える可能性もあり、早急な対策が急務だ。

なお、ウッドショックの原因が名古屋城天守閣木造復元による木材の大量調達にあるとのデマが飛んでいるが、ウッドショックは世界的な問題であり、天守閣木造復元には関係はない(笑)
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横井利明
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