教室以外の居場所づくり 名古屋市予算から

さまざまな理由により小中学校を長期欠席し不登校となる児童・生徒は年々増加する傾向にある。原因は不安や友人との人間関係などさまざま。保護者としてもわが子の学力のみならず、社会に出て活躍することができるかなど悩みは尽きない。

■ 不登校児童・生徒数の推移(名古屋市)
平成25年度 (小学校525人、中学校1426人)
平成26年度 (小学校535人、中学校1516人)
平成27年度 (小学校553人、中学校1606人)
平成28年度 (小学校687人、中学校1713人)
平成29年度 (小学校728人、中学校1745人)
平成30年度 (小学校769人、中学校1864人)
令和元年度 (小学校893人、中学校2044人)
令和2年度 (小学校1103人、中学校2127人)

そこで名古屋市教育委員会は、令和4年度、学校内フリースクールとよばれている「校内の教室以外の居場所づくり事業」に取り組み、生徒が落ち着いて冷静に自分や周りの状況を見つめられる「居場所」づくりを進める考えだ。

■ 校内の教室以外の居場所づくり事業(令和4年度新規事業/教育委員会)
・予算額
7,380万円
・事業の概要
教室に入れない生徒が安心して学校生活を送ることができるようにするため、校内の教室以外の居場所づくりを推進する。
・内容
(1) 実施校数
中学校30校
(2) 実施内容
専任の教員を各校へ配置し、余裕教室等を活用して、生徒一人ひとりの状況に応じた適切な学習指導や適応指導を実施

名古屋市ではこれまでも心理的な理由によって登校できない児童生徒を支援するため、市内3か所(浄心、笠寺、鶴舞)に於いて、名古屋市在住の小中学生とその保護者を対象に、通所による教育相談や適応指導などを実施する「なごやフレンドリーナウ(子ども適応相談センター)」を実施するなど取り組んできたが、不登校児童・生徒は年々増加する傾向にある。

そこで、広島県や横浜市などで一部取り組んでいる学校内フリースクールに名古屋市も取り組む。中学校110校のうち、希望する中学校30校を選定し、担当教員を配置する。他都市では学校内フリースクールの設置で不登校の解消につながったり、未然防止に効果があるなど成果のあがっている都市も多いよう。名古屋市の取り組みにも期待が集まる。

一方で、不登校に至った理由は個々さまざま。一つの取り組みですべての児童・生徒に対応できるとは限らない。通学区域外の学校への転校を認めたことで通学することができるようになった子どもあるなど、一人ひとりの児童・生徒に寄り添ったさまざまな選択肢を、柔軟に子どもや保護者に提供するなかで、問題の改善に努めたいもの。現場で対応にあたる関係者の皆様にはどうぞよろしくお願いします。
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横井利明
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