震災11年

東日本大震災から今日3月11日で11年目をむかえる。

震災関連死を含めた死者・行方不明者は2万2207人。お亡くなりになられた方々を悼み、また、被災にあわれた方々に寄り添う、そんな1日にしたいと思う。

さて、この11年間で私たちの街の防災への準備は整ったのかといえば、まだまだ道半ば。確かに山崎川、天白川などにおける鋼矢板二重締切工の進捗は順調に進んでいる。また、大江川における河口の締め切り工事なども順調に事業は進んでいる。堀川における対策は今後、早急に進めなくてはならないが、この間、市や県の関係者、名古屋港管理組合、また補助事業としてお力をいただいた国の皆様にも感謝申し上げたい。もちろん、河川沿線住民の皆様のご協力あっての事業でもあり感謝申し上げたい。

ただわかってきたこともいくつかある。

津波の伝わる速度や進行方向・波高などは、海底地形に左右されことも多くの方が知るところとなった。

■ 津波の速さ
水深1m 時速34km
水深100m 時速110km
水深500m 時速250㎞
水深4,000m 時速700㎞

水深の深い三陸沖で発生した津波は、大変なスピードで三陸海岸に向かう。比較的広い湾口から侵入した津波が、狭くなった湾の奥で一気に波高が高くなるといった「津波の影響を受けやすい地形」により東日本大震災の被害が大きくなったことも事実だろう。

名古屋市は伊勢湾の入り口が狭く、また伊勢湾がおよそ水深35m程度しかないことから、三陸海岸ほど津波の影響を受けることはないとされる。しかし安政東海地震では7尺(2.1m )の津波が熱田区や南区に押し寄せていたとの記録もあり、万全の対策を進める必要がある。

むしろ津波以上に対策が必要なのは、台風による高潮。温暖化の影響を受け近年、台風の大型化が進んでいるとの研究もある。名古屋市の想定では高潮高は5mを超える可能性もあるとのことであり、堤防の補強のみならず、いかに確実に住民の避難を進めるのかといった住民意識の高揚にも今後注力する必要がありそうだ。

名古屋市は想定し得る最大規模の洪水、内水氾濫、高潮のハザードマップ「風水害ハザードマップ」を令和4年6月に改定する。「ありとあらゆることを想定」は実際に起こるかどうかもわからないが、特に「高潮」への対策は、名古屋市南部地域には欠かせない。

■ 想定し得る最大規模の洪水、内水氾濫、高潮のハザードマップ(名古屋市) (←click)
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横井利明
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