高齢化や人口減少といった現代において、限られた財源の中で、公共空間における施設運営を効率よく、そして高品質なサービス提供で行うためには、住民参加といった視点は欠かすことができない。
現在、名古屋市では公園の維持管理の一つの手法として、地域住民のみなさまが協力して公園をきれいに保ち、安全で楽しく利用できるように管理することを目的に設置するボランティア団体「公園愛護会制度」を設けている。市内に約1,500ある公園のうち約7割で公園愛護会が設置され、月1回以上の公園の清掃や除草に取り組んでいる。また、愛護会に対して名古屋市は、清掃用のゴミ袋などの支給や月額3,000円の報償金の交付をおこなっている。さて、名古屋市は約1,500か所ある一般公園の維持管理費として、令和4年度、54億円の予算を組んでいる。乱暴な計算だが1か所あたり360万円の税を投入して維持管理していることになる。
■ 一般公園大公園 38か所小公園 1,421か所河川敷緑地 21か所
合計 1,480か所
維持管理コストとして、公園トイレの清掃には1か所あたり年間9万円の予算を組み、委託業者が行っている。また、公園遊具の点検等も業者委託しているのが現状だ。しかし、行政が公園の清掃や除草をすることはほとんどなく、夜間のパトロールをすることもない。その結果、公園の維持管理サービスのクオリティは極めて低いといわざるを得ない。
そこで、全国の自治体が抱える「行政コスト」「クオリティの低い行政サービス」「利用者のニーズに合わない施設運営」などこれら課題を、「公園管理における住民参加」といった視点から一気に解決できないか、現在、総力を挙げて検討している。
その中でも必須項目としているのが、
・クオリティの高い公園の維持管理サービス
・行政コストゼロ
・利用者ニーズに合った施設運営
※ 次は公園管理における住民参加の課題はコスト