こんばんは、我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
本日は毎年お招きいただいております中里諏訪神社例大祭にお邪魔しました。
皆様の素晴らしい演芸の数々を拝見させていただきました。
我孫子市の地域の皆さんは本当に義理と人情に厚く、地域の祭礼では皆さんから多くを学びますし、こうした絆や繋がりがいかに大切であるかということを改めて認識します。
明日は私は千葉県議会。
所属をしております文教常任委員会が開催されるので、質問をします。
さて、私の一般質問の内容報告も今日で最後となります。
私が今回の一般質問で行った最後の大項目は『ひきこもり対策について』です。
内閣府は本年3月29日、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が全国で推計61万3千人いるとの調査結果を発表し、そのうち7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めているとのことです。15~39歳の推計54万1千人を上回り、ひきこもりの高齢化、長期化が表面化しています。
特に注目すべきは、「40歳以上になってからひきこもった」と回答した人が57%と約6割にも上ったことです。
ひきこもった理由も「退職したこと」を挙げた人の数がもっとも多く、人間関係、職場になじめない、就職がうまくいかなかったという理由が上位になっています。これは私たち30代後半~40代前半は超就職氷河期時代の荒波にさらされ、採用募集すらも行わない企業も多数あり、就職活動時に社会のレールから外れてしまったことに対する自己否定感、社会の側にある職場環境の不安定な待遇、様々なハラスメントなどが介在する現状にしっかりと目を向けて改善していくことが肝要であり、まさに就職氷河期の真っ只中にいた私としても「ひきこもり」については若者とは異なる支援策が必要であることを痛感しています。
更に、現在「80」代の親がひきこもりの「50」代の子どもの生活を支えるという8050問題が日本の社会問題として取り上げられています。ひきこもりは1980年代~90年代は若者の問題とされていましたが、当時の若者が40代から50代、その親が70代から80代となり、長期高齢化しています。こうした親子が社会的に孤立し、深刻なケースが目立ちはじめています。
昨年11月に横浜市であった死体遺棄事件。高齢の母親と2人で暮らしていた40年引きこもっていた49歳の男性が、社会とつながることができず、言葉が話せなくなっていたために母親が亡くなっても警察に通報もできず、発覚するまで遺体と同居していたというものでした。
また5月28日に発生した川崎市の20人を無差別殺傷し、容疑者自らも命を絶った事件でも容疑者は10年単位の長期の引きこもりの状態にあったことなどが報道され、「ひきこもり」の定義と深刻なケースとの因果関係など、その背景ならびに支援方法は複雑化しています。
これからどのような支援が必要なのか、行政をはじめとする各機関が真剣に取り組むべき問題であると捉えています。
都道府県や政令指定都市には「ひきこもり地域支援センター」というものがありますが、支援の対象を39歳までと年齢で区切ってしまっている場合もあります。千葉県では千葉県ひきこもり地域支援センターを設置し、ひきこもりの相談窓口として平日に電話相談を中心に、その役割を果たしております。
水野:千葉県ひきこもり地域支援センターの電話相談状況はどうか。
健康福祉部長:県では、平成23年10月に「千葉県ひきこもり地域支援センター」を設置し、ひきこもりの当事者やそのご家族からの相談を実施している。この5年間の件数は概ね年間1,000件程度で推移をしているが、ひきこもりの長期化等を背景に、40歳以上の方からの相談が増加傾向にある。
ひきこもり地域支援センターは、ひきこもりに関し、まずはじめにご相談いただく窓口として、相談員がひきこもりの当事者やそのご家族に寄り添い、不安や問題を傾聴し、解決に向けた助言等を行うほか、精神保健福祉センターや教育相談窓口、ハローワーク、医療機関、さらに市町村のひきこもり支援拠点など、様々な支援機関と連携し、適切な支援につなげている。
本人調査では、40歳未満の場合よりも、40歳以上の方が、支援機関を利用していることが少なく、利用経験はあっても継続していないことが明らかになっています。ひきこもっている本人が動けない中、動き出すのは家族となります。しかしその家族が70代、80代となるとインターネットを使うことができない方も多くいます。
「関係機関に相談したいと思いますか」の問いに、「相談したい」と答えた人は47%と半数近くに上っているにも関わらず、ひきこもり地域支援センターの存在すらも知らない、という方がいるのも事実です。ご家族も含めた高年齢のひきこもりのニーズに合わせてひきこもり地域支援センターの広報手段も充実させることが重要だと考えます。
水野:ひきこもり対策の周知・広報はどのようにしているのか。
健康福祉部長:県では、ひきこもり地域支援センターを周知するため、パンフレットを市町村や保健所等の窓口に設置するほか、家族会等が開催する研修会などにおいてもセンターの活動等をお知らせしている。県の本日ホームページにおいても同センターの利用方法や支援内容などを掲載し、相談窓口の周知広報に努めているところ。
引きこもり相談については、就労や家計支援、心身の健康、教育など様々な支援ニーズがあることから、センターでは、多様な機関と連携し、相談に対応しているところだが、ひきこもりの長期化や当事者・ご家族の高齢化等の問題に鑑み、今後は、市町村の地域包括支援センターなどとも連携を深めていきたいと考えている。
千葉県の市町村への支援体制について。住民に一番近い行政である市町村に相談する方が多いが、ひきこもりに特化した相談体制が充実していない自治体もあります。
水野:市町村に対する支援はどうか。
健康福祉部長:市町村が地域におけるひきこもりの支援体制を整備するにあたっては、国の補助事業である「ひきこもりサポート事業」を活用し、相談窓口の設置や支援機関の情報発信、関係機関とのネットワークの構築、訪問支援を行うひきこもりサポーターの派遣などの取り組みを進めることが期待されている。
本事業の実施にあたっては、相談支援を行う専門的な知識や経験を有する人材が不可欠であることから、県では「ひきこもりサポーター養成研修」を実施し、相談支援を適切に行える人材を育成することにより市町村を支援している。今後はひきこもり支援を担当する市町村職員に対しても支援に必要な知識・技術等に関する研修を実施するなど、市町村に対する一層の支援に取り組む。
厚労省の『ひきこもり実態調査』の調査状況によると、実態調査を行っていたのは47都道府県では約半数の23府県で調査を行っていることが明らかになっている。
富山県では支援策を探るための実態調査が必要と判断し、人数を調べる「推計調査」と支援策の「ニーズ調査」を行うと発表し、9月定例会補正予算に盛り込んでいます。ひきこもりセンターの電話相談を受けています、という受け身ではなく、他県のように積極的に調査して実態把握を務める必要がある。
水野要望:調査方法は自治体によって異なるが、千葉県としても効果的な調査方法を模索し、ひきこもりの背景や実態把握をすることによって、当事者に寄り添った支援策を講じるために調査を行うことを要望する。