少年らの問題行動への対応に追われたこの1か月余

都市公園法に基づく公園の管理許可制度の適用を受けた「道徳公園バスケットボールパーク運営委員会」の臨時会議が開催された12月29日、道徳公園を舞台にした中学生・小学生らによる問題行動への対応について協議をおこなった。

これら少年が道徳公園に集まるようになったのは令和5年夏ごろ。そのころから公園にいるおじいさんなどから金品やたばこをたかる「おやじ狩り」が問題になっていたが、名古屋市から公園の管理許可を受け住民が公園に常駐するようになった11月から、少年らによる問題行動があらためて認識されたもの。なお、少年らの住まいは主に港区東部地域と南区東部地域。地元の子どもたちではなく、地域の方々との面識もほとんどない。

12月に入って少年らの行動はさらに過激に。鉄パイプを持って公園内で振り回したり、公園管理スタッフを20人ぐらいの小中学生で取り囲み、殴るけるの暴行を加えたり、公園内でバイクを無免許で乗りまわしたりするほか、小中学生らによるたばこの喫煙も日常的に行われた。なお夕方、公園内でバイクを乗り回す中学校1年生を止めようとしてバイクで体当たりされたことも。なお、これら問題行動のすべてが公園内に設置された防犯カメラに写っており、少年らは防犯カメラを確認した警察官によって補導されるものの、14歳未満であることからすぐに解放されるのが実情だ。

さて、少年らに聞くと自宅には帰っていないという。夜中、友達の家で過ごし、朝になると寝て、夕方には起きて公園などで遊ぶ。なぜ公園に集まるのかと聞くと、ほかに行くところがないからと答える。彼らはラインでつながっており、友達をラインで集めては公園で集団で遊ぶ。家庭にも学校にも地域にも「居場所」がない少年らの姿が浮き彫りとなっている。

彼らは小学生から中学校1年生まで。兄弟一緒に遊んでいる子も多い。警察に補導されても保護者が迎えに行くことはない。お金もほとんどもっておらず、おじいさんたちに「お金くれ」とたかる。かわいそうだという人も多く、少年らにお金を渡すことも多いし、近隣のコンビニによると万引きも日常だという。

公園スタッフへの暴言暴行が相次いだことから、この1か月余、私も夕方から夜間にかけて現場に足止めとなることが毎日のように続きている。年末の忘年会等の合間を縫って、夜間まで警察等への対応に追われることも多くなった。深夜帯のパトロール活動も毎日のように行い、遊んでいる子どもたちに声をかけるが効果は感じられない。現在は該当生徒が在籍する中学校と対応について協議をおこなっているものの、彼らは学校に通っていないことから学校の腰は重い。中には「教員も働き方改革」といってはばからない管理職もいて寂しい思いをすることも。

一方、南区東部地域の学区役員や民生委員の中には、積極的に彼らに関わりを持とうと努力している方も少なくないようだ。しかしそれぞれが個々に対応しているにとどまっていることから、対応には限界を感じているのが実情だ。親から見放されてしまった子どもたちを地域で見守ることにも限界もあり、対応に苦慮する毎日が続いている。

今、私たちが行っているのは20人以上いるとされる自宅に帰らない子どもたちの身元確認を行っている。すでに多くの子どもたちの名前や学校名、学年等の把握は進んでいるが、最終的には少年らの保護者にアプローチできる人をたどり、保護者への支援ができないかを模索中。私自身、ここまで広がってしまう前に何とか歯止めをかけることができなかったのかと悔やまれるが、今できることをおこなって、子どもたちにどんな支援ができるのか検討したい。
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横井利明
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