2月23日に行われたドイツの総選挙は、予想通りショルツ政権与党の大敗に終わった。その原因はどこにあるのか。また、今後のドイツ政治はどう展開するのか。 選挙の投票率は82.5%と高かった。これは、1980年の東西ドイツ統一以降で最も高かった。 第一党は保守野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)で得票率は28.6(2021年の前回は24.2)%、第二党は極右の「ドイツのための選択肢(AfD)」で20.8(同10.4)%、第三党は与党の社会民主党(SPD)で16.4(同25.7)%、第4党は連立与党・緑の党で11.6(同14.7%)%であった。与党の一角を締めていたが、途中で連立を離脱した自由民主党(FDP)は4.3(同11.4)%で、5%条項をクリアできず、議席を獲得できなかった。左派党が8.8(同4.9)%、左派ポピュリスト政党の「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)」が4.9%(2024年1月に設立)%、その他が9.5(同8.7)%であった。 この結果、CDU/CSUのメルツ党首が次の首相になると見られているが、その前に連立政権交渉が待っている。 ナチス時代の反省から、いずれの政党もAfDと連立を組むことは拒否しており、メルツもこの一線は守るであろう。 それでは、どの政党と組むのか。緑の党や左派党とは政策が相容れない。FDPは議席がない。そこで、残るはSPDとの大連立である。今回の選挙結果をもたらした要因は、移民と経済である。 ナチスによるユダヤ人虐殺への贖罪意識から、ドイツは移民や難民に対して寛容で、開かれた国となった。ショルツ政権もその例外ではない。 しかし、昨年8月にはゾーリンゲンでイベントの来場者をシリア難民の男が襲い、3人が死亡、12月にはマグデブルクのXmasマーケットにサウジアラビア国籍の男が車で突入し、6人が死亡、1月2続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』
ドイツ総選挙、与党大敗の原因と今後の展望
