安倍長期政権を支える4つの柱

通常国会が始まったが、スキャンダル探しが中心で、政策の議論は低調である。その理由を考えれば、なぜ安倍政権が長期化したかがよく分かる。 第一の功労者は、かつての民主党政権である。国民の期待を背に政権交代を実現し、政権を担ったものの、統治に失敗し、わずか3年3ヶ月で退場してしまった。この政権が、せめて8年(衆議院の任期4年の2倍)続いていたら、状況は大きく変わっていたであろう。 「分割して統治せよ」という言葉どおり、分裂し、非力な野党が相手では、安倍政権は揺るぎようがない。 第二に、非力な野党に加えて、非力な自民党内ライバルもまた安倍長期政権を可能にしている。かつての中選挙区下では、三角大福中の5大派閥が切磋琢磨し、多様な政策を繰り広げていた。ところが、今や小選挙区制の影響もあって、総裁、そして首相官邸に権力が集中してしまった。その意向に逆らえば、選挙で公認されない、人事で冷遇されるということになる。 石破派がその典型である。これでは、安倍首相と戦って総裁の座を奪おうという有力議員はいなくなる。そのような状態は、長期的には自民党の活力低下につながっていくが、「我が世の春」を満喫している天下人には、それが分からない。 第三に、マスコミの取り込みである。NHKをはじめ、官邸番の記者を手下として活用する。新聞によっては、安倍政権の機関紙化したものもあり、安倍批判に反論する続きをみる

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