5期目のプーチン大統領とウクライナ戦争の行方

 5月7日、プーチン大統領は、5期目の大統領就任し、内閣改造も行った。セルゲイ・ショイグ国防相を交代させ、国防相にはアンドレイ・ベロウソフ第一副首相(65歳)を充てた。 ウクライナでは、ロシア軍が攻勢に転じている。アメリカ議会がウクライナ支援予算案を可決したため、アメリカからのウクライナへの武器供与が再開される。それが本格化する前に、ウウライナ軍の力を殺ごうという作戦である。 今後の戦争の展開には、以下のような点に注意する必要がある。 第一は、軍事的にも経済的にも、まだロシアもウクライナも疲弊しきっていないということである。ウクライナには、アメリカをはじめ西側からの潤沢な武器供与や経済支援が続いている。ロシアも、軍需工場がフル稼働で動いており、経済的にも対露経済制裁に参加している国は世界の5分の1に過ぎず、大きな打撃は受けていない。石油、天然ガス、鉱物資源、食料などの輸出は好調であり、GDP成長率も日本よりは高い。 こういう状況に変化をもたらすものがあるとすれば、アメリカのウクライナ支援の減少であり、それは11月のアメリカ大統領選挙でトランプ前大統領が当選すると起こりうる。その意味で、アメリカからの支援頼みのウクライナのほうが、ロシアよりも脆弱だと言ってもよい。 第二は、調停役が不在だということである続きをみる

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