Go Toキャンペーンに見るガラパゴス日本

 新型コロナウイルスの感染の再拡大が止まない。8月21日も、東京都の感染者は258人で高止まりしている。 GoToTravelキャンペーンについて、達増岩手県知事はは21日の定例記者会見で、「失敗と言っていい。新型コロナウイルス感染症が収束しないと、期待された効果は出てこない」と批判し、「7月中に始めたのは早過ぎた」と述べた。 このキャンペーンは、4月7日に閣議決定した補正予算に計上されたもので、総額約1兆7千億円である。この日は、安倍首相が、首都圏1都3県と大阪、兵庫、福岡に緊急事態宣言を発令した日である。 当初から、この予算措置には批判が多かった。緊急事態という目の前の危機への対応ではなく、感染が収束した後の観光需要喚起策であり、政策の優先順位が間違っているというのが、主たる指摘である。そして、事務委託費の上限が3095億円と予算の18%をも占めていることも、算定基準が曖昧だと問題になったのである。 病床不足など喫緊の課題が山積する中で、各省庁が、予算獲得のチャンス到来とばかりに、要求項目を列挙してきた。東日本大震災のときと同じである。復興という名の下に、沖縄の道路整備にまで予算が流用されたことは記憶に新しい。 安倍首相は、PCR検査を1日に2万件に増やすと国民に約束したが、それはまだ実現していない。保健所などの体制が不十分なことも原因の一つだが、そのような問題の改善に予算を回すべきあり、Go Toキャンペーンよりもそちらのほうを優先させるべきであった。 ところが、コロナ対策という続きをみる

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