労働移民の新政策は将来に禍根を残さないのか

4月1日、準備不足のまま、新外国人労働者政策がスタートしたが、様々な問題が起こった場合にどうするのかの対策も十分に考えられていない。 労働力不足対策としての外国人労働力の導入については、日本は、これまで巧妙な「賢い」方策で対応してきた。たとえば、1993年に創設された外国人技能実習制度がその典型である。低賃金で一定期間労働力を確保できるこの制度は、人手不足に悩む企業にとっては有り難いかぎりである。しかし、過酷な労働条件に耐えきれずに、実習生が失踪するなどの問題点が指摘されている。 もっと遡ると、30年前のバブルのときに、南米諸国などの日系人を、「先祖が日本人だった」ということで特定枠を設け、出稼ぎを許可し、自動車産業などに大量に配属させた。「日系」を理由にするなど、屁理屈にすぎず、不況になると帰国を促したのである。浜松市や太田市などでは、南米人のコミュニティができて子どもが学校に通うようになると、日常生活上の諸問題に直面し、コストの面でも地方行政の大きな負担となっている。 今回の外国人労働者の導入拡大策も、従来の「賢い」方策の延長線上にあり、人手不足だから何とかしようという「単なる弥縫策」にすぎない。しかしながら、そのような続きをみる

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