「千葉新政策議員団」代表質問~里親等委託の推進と委託解除防止に向けて~

我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。

本日も千葉県議会では一般質問が続いています。

 

本会議の前後、ランチタイムも執行部との打ち合わせ等が目白押し。

 

 

さすがに長い通勤時間と仕事の多さに顔に疲れも出てきていると指摘を受けているので、とにかく、せめて帰宅後はなるべく早く寝るように心がけますぐぅぐぅ

 

今日は我が会派の代表質問のうち私が担当した「里親制度の推進」について取り上げます。

私が県議1期目から取り組んでいる児童福祉政策のひとつです。

当時から比較すると、里親の認知度は高くなっています。様々な理由で保護者が子どもを養育できない場合、一時的にあるいは継続的に家庭的な雰囲気の中で、愛情深く育ててくださる「里親」の存在は大変重要です。

 

【里親等委託率の向上】

国の「新しい社会的養育ビジョン」では、家庭養育優先原則により特に就学前のこどもについては、原則として施設への新規入所を停止し、里親への包括的支援を抜本的に強化することで、里親による養育を推進することとされ、令和11年度までの里親等委託率の目標として、乳幼児にあっては 75%以上、学童期以降にあっては50%以上とすることが示されました。

 

改正児童福祉法等を踏まえ、千葉県は「千葉県こどもを虐待から守る基本計画」を見直し、里親委託を推進し、令和11年度に里親等委託率を40%とすることを目標としています。

本県の里親等委託率は全国の数値を上回って順調に推移しているものの、国から示されている委託率が非常に高い数値目標であることから、里親委託の推進に向けた取組を更に強化する必要があります。

 

質問)千葉県における里親等委託率の推移はどうか。また今後、どのように里親等委託率の向上に取り組んでいくのか。

 

答弁)

●「千葉県こどもを虐待から守る基本計画」では、里親等委託率を令和11年度末までに40%とする目標を掲げているところ、 令和6年度末の暫定値では36.1% となり、令和元年度末と比べ、5年間で6.4 ポイント増加。 

●今後も県内各地での里親制度説明会の開催 や特設サイトの開設などにより里親制度の周知を図るとともに、里親の新規開拓や研修、 養育支援等を一貫してフォスタリング機関で実施し、里親支援の強化に努め、里親等委託率の向上に取り組む。

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【委託解除の実態】

 

里親委託を受けて養育した女児と引き離され、精神的苦痛を受けたとして、栃木県内の夫婦が栃木県に対し損害賠償を求めて提訴するなど、委託解除を巡るトラブルは全国各地で相次いでいます。

 

※上記、読売新聞の報道によると22年度中に里親委託解除となった児童は1,175人に上るとのこと。

 

委託解除を行う場合は、その過程での混乱や分離による傷つきへの対応として子ども及び里親に対し、委託解除の理由や今後について丁寧に説明し、委託不調の原因に対して前向きに今後へつなげていくため、適切に対応することが重要です。

 

質問)千葉県における、家庭引き取り、満年齢、養子縁組等ではなく、里親と里子間の不調による委託解除の状況はどうか。また委託解除になる際の里親側と里子側のフォローやケアはどのように行っているのか。

 

答弁)

●里親がこどもの障害等のケアに対応しきれ ないことや、里親と里子との関係悪化など、 いわゆる里親不調による委託解除は令和5年 度では3件あった。 

●児童相談所では止むを得ず里親委託を解除する際には、里親に対しては養育の振り返りや解除に伴う喪失感へのケアを実施するとともに、里子には解除に至った理由の丁寧な説明や新たな環境で安心して生活できるようにするための心のケアなどを行っている。

●こどもの最善の利益を実現するため、里親と里子の双方に対し、きめ細やかな支援に取り組んでいく。

 

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里子となる子どもはさまざまな経験をし、自分の価値を形成している中で、里親と一緒に暮らすことになります。

もちろんまだ子どもである里子が新しい家庭の中に入り、抵抗や違和感等が生じることは当然です。

里親にとっても同様です。

裁判等で争われるケースには児童相談所の判断によって引き離されたと訴える里親もおり、里子と里親、児童相談所と里親など、成員間でズレが生じてしまっている可能性があり、柔軟性や臨機応変な対応が求められています。