なぜ政府は見直しを避けるのか

 アイヌ民族の権利回復や遺骨返還など、本来はアイヌ施策推進法の見直しと合わせて前へ進めるべき。法の見直しはしないとの政府の見解を受け、アイヌ政策検討市民会議と懇談しました。なぜ、政府は見直しを避けるのか。率直な意見交換となりました。

 市民会議はアイヌの方々と力を合わせ、北海道内だけでなく院内集会も実施し、国会議員への働きかけや政策提起もおこなってきました。先月の集会には私も参加し、機運も高まっていただけに、政府の対応には驚きと残念との声があがっています。

 遺骨返還については日本人類学会などが、アイヌの方々へのお詫びや反省を述べた声明が発表されました。このような変化の一方で、北海道大学はじめ返還が遅々として進んでいない現状もあります。

 必要な調査や移動・埋葬にも、アイヌ当事者が研究機関との話し合いを続けるにも、気力や資金が必要です。国が積極的にかかわるよう、法改正やガイドラインの見直しができないかとの話から懇談は始まりました。

 先住権にかかわる国際法との関係でも、日本が遅れていることは明らかです。教育が大事とされても、副読本の内容ですら学校では消化しきれるだけの余裕がありません。そもそもアイヌ民族に対する歴史的不正義を国が認めていない、ということも話題となりました。

 政府の態度がかたくなである背景に、過去の有識者報告書の存在があるからではないか、との指摘がありました。国によるアイヌ民族への歴史的不正義は「打撃」と記されているものの、権利侵害の具体性に乏しいのではとの指摘にハッとしました。

 何度もアイヌの方々から苦難の歴史や事実を聞いてきたものの、これが広く社会的に認知されているとは限りません。政府の調査でも、アイヌ民族への差別を知らないという回答が道外では多数です。あらためて考えさせられました。

 目の前の課題を、アイヌの方々といっしょに解決へ。あわせて歴史の事実を、多くの方へ知らせる取り組みを。何より議席を回復して国会で、このような課題を提起していかなければ。多くの課題を共有した懇談となりました。

 【今日の句】尊厳を 奪った国の 反省を
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畠山和也
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