船の音を消さないように

 今日は長万部町から寿都町・島牧村へ。この数日は寒さも厳しく一気に降った雪も壁のようになり、まさに大寒そのもの。新型コロナも心配ですが、寒さからの体調悪化にもお気をつけください。

 長万部では木幡正志町長、佐藤英代副町長、近藤英隆教育長が懇談の時間を割いてくださいました。木幡町長は「現職のときに部屋へ要請に行ったこともありますものね」と応じてくださり、町の課題やコロナ禍の話と進んだときに、「波の音しか聞こえないんだよね」と話されました。

 噴火湾に面する長万部町なので波の音が聞こえて当然だと思ったのですが、次の言葉に合点がいきました。「(船の)エンジンの音が聞こえないんですよ」。コロナ禍で水産物の価格下落が進み、なかでも養殖ホタテは大打撃。これから水揚げの時期になるのですが、若干の時期の調整もするようです。しかし、次の稚貝を入れるためには水揚げして場所を空けなければならず、需要が減っているなかで獲ればさらに価格が下がる-ー船が出るに出られない、その状況を「波の音しか聞こえない」との一言に込められていたのです。

 「飲食店の打撃も大きいでしょうが、生産者や加工業者への打撃も大きい。そこへの補償は十分ではないのです」と木幡町長。そこで町として昨年、酪農家への独自支援もおこなったといいます。漁業者は持続化給付金の申請もおこない、町としても支えました。こうやって町の基幹産業や地域経済を守ろうと力を尽くされているのです。その後に長万部漁協でも同様の話をうかがいました。木幡町長からの「地域の実態をぜひ伝えてください」との言葉も、心に残りました。

 島牧村では、幸坂順子寿都町義と島牧漁協へ。浜野勝男組合長・野上儀廣専務理事から、お話しをうかがいました。晴天の長万部と違い、今日も風雪が厳しい島牧村。「時化(しけ)ばかりで、この1週間は漁にも出られない」と苦笑気味の浜野組合長。主力のスケソウタラは、やはり昨年から価格も下がり気味の一方で、ナマコが引き続き好調だとも聞きました。事務所に若い組合員さんがいましたが、声に張りがあって活気を感じもしました。

 島牧村では「核抜き条例」を可決したこともあり、村議を務める浜野組合長から詳しく聞こうと思っていたのですが、話の中心は寿都町の現状に。幸坂町議から町議会の様子や「町民の会」のがんばりが伝えられ、浜野組合長も「漁業者からすれば、やっぱり核のゴミなど認められない」とキッパリ応じられました。寿都町民の間で「文献調査にともなう補助金は、住民に配られる」との誤解も広くあると聞き、党としての宣伝もしっかりやっていきたい。道2区補欠選挙、野党共闘の現状にも話が及び、私自身も比例議席を回復する決意を述べました。

 寿都町では時折、雪が激しくなるなかで街頭宣伝。また、これまで長く日本共産党を応援してくださっていたご夫婦に入党を呼びかけて、快く応じていただきました。「菅さんは本当にやる気が見えない」と政府の無為無策ぶりに怒っていて、文献調査に応じた片岡町長に対しても「文献調査を返上して、補助金を医療支援に充ててくれとでも言えば評判も良くなるんじゃないの」とピシャリ。そうだそうだと盛り上がりました。

 寿都町は今年の秋に町長選挙を迎えます。片岡町長は、2年で終わる文献調査の次の「概要調査」にも応募することを公約に掲げるようだと伝え聞きました。もしかしたら衆議院総選挙と時期が重なる可能性もありますが、寿都町の未来を決める大事な町長選挙になります。応募どころか撤回へ、反対している町民のみなさんとしっかり手をつないでいきたい。地方に「核のゴミ」を押しつけるために補助金を使うのでなく、今日のテーマでもあった漁業への支援こそ厚くする政治へ転換を!

 【今日の句】厳しさのなかでも 浜は前を向き

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畠山和也
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