臨時国会閉会日の5日、立憲民主党の枝野代表が、国民民主党、社民党、「社会保障を立て直す国民会議」に、衆院会派に参加することを呼びかけました。これにより、来たるべき秋の臨時国会で、野党統一会派での共闘の可能性が出てきました。
◆立憲民主の方針転換
一昨年の衆院選で民進党が分裂し、その後野党第1党として躍進した立憲民主党は、他野党との国会共闘には距離を置いてきました。分裂の際の心情的なわだかまりに加え、一時期、政党支持率が好調だったことから、他野党との協力は不要で、単独で十分与党と戦っていけるとの自信があったのだと思います。しかし、先の参院選では、立憲民主党は議席は伸ばしたものの、野党の中で群を抜いた得票とは言い難い結果に終わり、単独で与党と対峙していく力が無いことが明らかになりました。れいわ新選組のような新しい野党勢力が生まれる中で、枝野代表も、このままでは党が埋没していきかねないとの危機感を強め、今回の統一会派呼びかけに至ったのだと思います。
◆統一会派の課題
統一会派の結成は、国会議論において戦略的に与党と対峙できるというメリットがありますが、今回の立憲からの呼びかけは「衆院会派」との限定になっています。一方これに対して国民からは「衆参両院」との逆提案がなされました。衆院だけでは、採決にねじれが生じた時に「無責任な野党」の誹りを免れず、衆参両院の統一会派は、私は必須条件だと思っています。また、基本政策の合意や会派名についても、両党から注文がついているようですが、元々、同じ政党だったわけで、基本政策についても両党が歩み寄れるレベルというのが必ずある、と私は考えており、丁寧に協議することで必ず一致出来ると思っています。
◆統一会派結成を見極める
私自身は、浪人時代より分裂した野党の再結集を目指し、あえて無所属での活動を貫いてきましたので、野党再結集への第一歩となる統一会派の結成には賛成です。
ただ、現時点では、衆参両院か否か、基本政策、会派名などでの隔たりをどうすりあわせていくかの本気度が、両党に問われているのだと思います。私が主催する政治団体「一丸の会」のメンバーも、再び野党が結集し、更に政界再編を起こさなければ、政権交代ひいては目指す社会像の実現にはほど遠いと考えています。それこそ、新たな政治勢力として政党化された「れいわ新選組」なども含めて、連携を模索すべきと思います。
10月4日召集との声も上がっている秋の臨時国会に向けて、私も、それぞれの党に中立な無所属の立場を活かして、両党の協議を良く見極めながら、更には部外者としてではなく当事者意識を持って、各党の責任者と協議を重ね、統一会派結成に向けて汗をかいていきます。そして、再び皆様の信頼に応えられる政党を創り上げていく所存です。
スタッフ日記「祈りを受け継ぐ」
歴史ある街並みを感じながら、ならまち界隈を歩いてみると、小路の辻や橋のふもとに、可愛らしいお地蔵さんを見かけることがあります。
平安時代に庶民の間に死後の地獄を恐れる風潮が広がり、地蔵菩薩への信仰が日常生活の中に溶け込んだのが始まりとされる、お地蔵さん。子どもの守り神としても信仰が広がり、街角にあるその光景は庶民の暮らしがにじみ出ているように感じます。
特に、ならまちを中心に太陰暦のお盆である7月23日には、地域の人が地蔵の像を洗い清め、飾り付けを施したり、地域の子ども達にお菓子を配るなどの地蔵盆という催しが行われます。
いつもの何気ない道辻の光景が、この日ばかりはお地蔵さんを中心にいこいの場が形成され、近鉄奈良駅北の“きたまち”だけでも地域に83ヶ所近くもお地蔵さんが存在し、中には親しみを込められた名前が付けられているものも珍しくありません。手貝町の「しあわせ地蔵」や北半田西町の「笑顔地蔵」など、地域が守り続けてきたその歴史と文化を、この時期には肌で感じる事ができます。また、今年は、奈良市生涯学習財団が主催しスタンプラリーを作成するなど、子ども達にもより身近に感じてもらう取り組みが行われていました。
私の住む富雄では、太陰暦では農繁期と重なるために古くから新暦の月遅れお盆を採用し8月23日に地蔵盆があり、直径3メートルほどの数珠を皆で囲んで座り、読経に合わせて順に回す、数珠繰りが行われる場所もあります。令和の時代へと継承する大切な文化が、これからも守られるよう祈ろうと思います。(特命係長)