【予算委員会】児童相談所について/県土整備常任委員会

我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。

本日は所属する県土整備常任委員会でした。予算関係8件、条例関係4件、その他12件の合わせて24議案について長時間にわたり審議を行い、色々と行政側とやり取りはありましたが、全議案可決となりました。

「基幹統計書き換え事案について抗議し、政府に徹底した調査・説明及び再発防止策の確立を求める意見書案」について、賛成しましたが、残念ながら賛成少数でした。

 

さて、予算委員会が終わり、私は2日間にわたり62分質疑を行いました。

1日目も2日目も26問なので合計52問の質疑を行いました。

 

 

まずはその内容について毎日1~2項目毎にわかりやすくお伝えしていきたいと思います。

 

【水野質問1日目】

①児童相談所について

②里親制度及び養子縁組の推進について

③鉄道駅バリアフリー設備整備事業について

④我孫子高等技術専門校について

 

【水野質問2日目】

①手賀沼に係る第8期湖沼水質保全計画について

②県立学校におけるICT活用について

③動物愛護について

 

今日は児童相談について2項目お伝えしていきます。

すべてを書くと膨大な量になりますので、要点を私の方でまとめてわかりやすくお伝えします。

 

≪児童相談所について≫

当時小学4年生だった栗原みあさんが虐待死した事件から1月24日で3年が経過しました。この事件を契機とし、この間、県では児童相談所の抜本的な見直しを行い、印西市と松戸市に県立児童相談所新設を決定し、松戸市・柏市・流山市・我孫子市・野田市の5市141万人を管轄する柏児童相談所については、我孫子市・流山市・野田市の3市48万人を管轄する新たな柏児童相談所が柏市の柏の葉にある「さわやかちば県民プラザ」に整備されることが発表されました。(※柏市は市で独自設置する方向)

詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

【柏児童相談所の建て替え】

(水野質問)柏児童相談所の建て替えについて今後のスケジュールは?

(県答弁)建替えにかかる今後のスケジュールとしては、

・ 令和4年度にかけて基本計画を策定の上、

・ 令和4年度から5年度にかけて基本設計を

・ 令和5年度から6年度に実施設計を

・ 令和7年度から8年度に工事を

・ そして令和9年度にオープンを

それぞれ予定している。

 

(水野質問)建て替えが決定してから土地の選定等について、我孫子、流山、野田の3市からどのような要望があり、柏の葉にある「さわやかちば県民プラザ」敷地に決定したのか?

 

(県答弁)3市のうち我孫子市から、いずれの地区からもアクセスがよく、一時保護児童にとって良好な環境が確保できる場所を選定してほしい旨の要望があった。

建替え予定地の選定にあたっては、未利用公有地の活用を基本に、3市との位置関係や交通機関の利便性、敷地の広さや周辺の環境等を勘案し、さわやかちば県民プラザの敷地に決定したところである。

 

(水野質問)もともと選定にあたっては知事も県有地だけではなく、市有地や国有地も含めて検討していた。重要なことは建て替えにあたってどのような児童相談所にしていくのか、市民のことを一番よく把握している基~~自治体との情報共有をはじめとする連携である。

柏児童相談所の建て替えに伴い、3市とどのように連携を図っていくのか。

 

(県答弁)市は、児童虐待の未然防止や早期発見の取組では中心的な役割を担っていることから、建替え後も円滑な業務運営や迅速な虐待対応が可能となるよう、引き続き、要保護児童対策地域協議会等を通じて十分な意見交換を行うなど、3市との連携に努めていく。

 

(水野要望)今回見直しになった児童相談所については、これまで相談対応件数の多さや執務室等の狭隘化などが指摘をされており、新設や建て替えによって物理的な課題はクリアしていくことが想定される中で、今後重要になってくるのは連携体制。あらゆる機会を捉えて子どもたちを守る理想の施設となるように、3市と情報・意見交換等を積極的に行ってほしい。

 

【現在の柏児童相談所の対策~相談対応件数増~】

(水野質問)令和9年度オープンまであと5年あり、現在の柏児童相談所については、虐待相談対応件数増加への対応と一時保護所の定員超過の課題がある。開所までの間、現在の柏児童相談所の課題についてどのように対応していくのか。

 

 

(県答弁)柏児童相談所における虐待相談対応件数が、令和2年度に過去最多となる中、増加を続ける虐待対応件数に対応するため、計画的に職員の増員を図るなど、着実に体制整備を進めていく。また、保護期間の長期化に伴う一時保護所の定員超過という課題については、職員のケースワーク能力の向上を図るための研修の充実や、里親委託の推進など社会的養護の受け皿整備を進め、定員超過の解消に努めていく。

 

(水野要望)令和2年度の県内の虐待対応件数は過去最多の9,863件。そのうちの約27%にあたる2,597件が柏児童相談所管内で発生している。

あらゆる制度や民間との連携などを駆使しながら、子どもたちのことを第一に考えた施策を講じていただきたい。

 

【建て替えに向けた住民説明会】

(水野質問)建て替えに向けた説明を、今後地域住民にどのような形で行っていくのか。

 

(県答弁)建替え予定地決定に伴う住民への説明については、先に行った2か所増設の際と同様に、地元市及び周辺自治会等と調整の上、できる限り早期に行いたいと考えている。

 

(水野要望)実際にこれまでその場所を利活用されている方々もいると思うので、幅広く説明会を開いていただきたい。

 

【令和4年度の組織編成】

(水野質問)児童相談所の増設や建て替えを着実に進めるために児童家庭課に「児童相談所建設室」が新設されるが、児童家庭課に新設される「児童相談所建設室」の体制と業務、求められる人材は?

 

(県答弁)児童相談所建設室は7名程度の職員体制を見込んでおり、業務内容としては、児童相談所の新設及び建替えに関する、計画策定、基本設計及び実施設計に係る関係部署との調整、設計・工事に係る契約手続き、地元や関係市町との調整などの業務を担う予定である。

今後、児童相談所の新築や建替えを進めていく上では、子どもの最善の  利益を考えた保護や養育が行える環境確保の観点を持ち、関係機関等との調整を適切に行うため、建築の専門知識を持つ者のほか、児童相談所の知識や勤務経験を有する人材や、調整力・現場対応力の高い人材が求められると考えている。

 

(水野要望)開所まであらゆる方面での調整や連携が必要になってくると思うので、よく児童相談所業務を理解している職員に入っていただき、着実にスケジュール通りに進むようにお願いしたい。

 

【外国籍児童への対応】

(水野質問)現在、児童相談所において増加している案件等について、特に外国籍児童の対応について。近年、外国籍等の子どもの数が増加しており、児童相談所においても外国籍の子どもを対応する事案も全国的に増えてきている。

外国籍児童に関する相談は、どのようなものがあるのか?

 

(県答弁)令和2年度に実施された、厚生労働省の調査によると、「叩くことは、しつけの一環と考えている」など、日本では虐待や不適切な養育として捉えられる行為が、母国では通常の育児方法と考えられているなど、文化的な差異によるものが挙げられている。

 

(水野質問)外国籍児童に関する相談など、日本語でのコミュニケーションが難しい場合、どのように対応しているのか。

 

(県答弁)外国籍児童やその保護者への対応にあたっては、民間の通訳者派遣サービスや、今年度から導入した公用スマートフォンの翻訳アプリを活用し、コミュニケーションが円滑に図られるよう努めている。

 

(水野要望)言語のみならず子どもたちの持つ多様性や多文化背景を尊重する支援も重要になってくる。時代とともに児童相談所も新たなニーズが生じてくる。またアプリでは言葉の微妙なニュアンスも伝わりにくい。

常日頃から民間サービスとの連携を広げたり、自治体等と連携しながら対応を要望する。

 

【学習支援】

(水野質問)児童福祉法に基づく一時保護が行われている児童生徒は当該措置が行われる間、学校へ通うことができなくなることがある。児童相談所での学習支援に関する現状は?

 

(県答弁)一時保護所での学習は、子どもの年齢やこれまでの学習習慣、保護に至る背景の違いなど、子どもの特性や学力を考慮した支援を行う必要がある。このため、学齢期の保護児童に対しては、各児童相談所に、教員資格を有する児童指導員や学習指導協力員を配置し、学習到達度などを把握した上で、個別に対応しているところである。

 

(水野要望)特にやむを得ず一時保護期間が長期化する子どもについては、特段の配慮が必要であり、都道府県又は市町村の教育委員会等と連携協力を図り、就学機会の確保に努めていただきたい。

 

【感染症対策】

(水野質問)柏児童相談所では一時保護所の過密化などが課題となっている中で、感染症対策も児童相談所の大きな役割の一つとなっている。子どもを一時保護する際の感染症対策はどのように行っているのか?

 

(県答弁)新たに一時保護を要する児童については、一時保護所に入所したのち一定 期間は、別室で保護し、経過観察を行っているところであり、この期間中に  発熱等の症状が見られる場合には、本人や保護者の同意を得た上で、医療機関を受診させ、PCR検査を実施している。

 

(水野質問)児童相談所の執務室も狭隘化などの課題を抱えている。2月には東京都内の複数の児童相談所の一時保護所で、新型コロナウイルスのクラスターが発生した。感染が広がる恐れがあり、新たに子どもを受け入れることができないとのことで、緊急時に子どもを受け入れることができなくなるといった事態に陥った。千葉県では児童相談所においてクラスターが発生した場合、緊急時の受入れはどうするのか?

 

(県答弁)緊急の一時保護が必要な事案が発生した場合には、原則として、県内の他の 児童相談所へ、一時保護委託を行うこととしており、クラスターの発生時であっても、子どもの安全確保を最優先に考えて対応していく。

   

【災害時対応】

(水野質問)新型コロナウイルス感染症対策と同様に災害時においても十分な体制を整えておく必要がある。災害発生時における一時保護児童への危機管理体制はどうか?

 

(県答弁)時保護児童については、災害発生時においても、原則として、一時保護所内で生活を続ける必要があるため、72時間分の食料や水の備蓄を行うとともに、必要な電力が確保できるよう、可搬式の非常用自家発電機を配置している。

 

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予算委員会は時間と内容をどこまで深堀できるかが勝負です。

児童相談所については、今回は外国籍児童について取り上げましたが、時代の変化に伴い、児童相談所のあり方や新興感染症対応に防災対策など、子どもを預かっている福祉施設であることから求められる役割も幅広くなってきております。

今後、新設、建て替えと人材確保が要となる中で、特別な配慮が必要な児童対応など、児童相談所の職員だけでは対応できない案件も生じてくることも想定し、市町村や民間とつながって、しっかりと助け合うことができる関係構築を要望させていただきました。

 

明日は里親制度と養子縁組についてお伝えしていきます。