昨年の地震から1年2ヵ月が過ぎても、くらしと生業の復興には、なお支援の力を必要とする厚真町。今日のテーマは「炭」。北海道の木炭生産は全国4位(2017年)で、厚真町も道内有数の産地なのです。
ところが過去最大の山林崩壊で、原材料となる原木の不足が心配されています。1年2ヵ月が経っても山奥の民有地まで足を運べないし、もちろん作業道・作業場などもありません。山林所有者や林業関係者にとっては、見通しが見えてこない状況にあります。
いま町内で出荷している、ただ1軒だけの「かまだ木炭」さんを伊藤富志夫町議と訪れました。先代から継いで3年目に地震を受けた鎌田武一代表は、窯だけでなく自宅も被害を受けました。「窯をつくるのに貯金もはたいたので、新しい家を建てるにも、まだ時間がかかります」と鎌田さん。
「原木が足りないため自分で山を買おうとしましたが、それでも足りません。伐採できる山も少なくなっているとも聞きます」と、現状を説明くださいました。先月に森林組合でも同様の状況を聞いて危機感を覚え、今月の政府交渉でも林野庁に実情を伝えたばかり。あらためて政治の力が必要だと痛感しました。
同じく木炭生産にかかわる方が応急仮設住宅にいらっしゃり、ここでも「材料が確保できるかどうかが悩み」で、生産の再開ができないでいます。木炭の生産には2日間かけて集中しておこなうだけに、人も雇わなければなりません。遠くから木材を確保すれば、重ねてコストもかかります。
「家を建てることを優先していたが、業者も足りなくて順番待ち。坪あたりの単価が上がっているうえに消費税も上がって、昔だったら3軒は建てられる価格になった」と、堰を切ったように話されました。「桜を見る会」のような税金のムダ使いなどやめるべきですね、と私も応じました。
まだまだ、くらしも生業も復興はこれからなのです。「働ける私たちはいいけど、高齢者は本当に困っているよ」との話も聞き、町は公営住宅の建設なども進める予定ですが、先が見通せるような情報の伝達や相談体制の充実も必要であることを感じました。具体的な要求をつかむことが大事だと、再確認しました。
ちなみに厚真町へ行く前には、新日本婦人の会北海道本部の定期大会で来賓あいさつ。大会のオープニングで2年間の活動をまとめた上映があったのですが、各地で新婦人のみなさんが要求にこたえた活動を広げていることがよくわかりました。草の根の力こそ、社会を動かす確かな力なんですね。
明日から北見市・網走市へ。寒さ対策もしっかりおこなわなければ。
【今日の句】見るのなら 桜もいいが 被災地を