首相は根拠を示せなかった

 朝の定例宣伝後、急ぎの文章作成も何とか終えて、志位和夫議長の国会質疑を聞きました。同盟国の「主権の一部」まで米国の元に置く(!)公式文書を示した志位さんに、岸田首相は肯定も否定もせず、最後は総理の責任だとくりかえすだけでした。訪米で危険な約束をしてきたのかと、自民党議員も神妙な顔で聞いていたのが印象的でした。

 IAMD(統合防空ミサイル防衛)についても、どこに撃つのか・どの国が撃つのか・撃ったあとの検証などの情報は「圧倒的な情報量を持つ米国」から得ることになると、自民・佐藤正久議員がテレビ番組で述べていたことも紹介。米国側の文書も示し、自衛隊が米軍の指揮命令下に入らない保障はあるのか、と志位さんは質問しました。

 岸田首相は、日本が平和国家としてのなかではありえないと抽象的な答弁に終始し、具体的な保障は答えられませんでした。重ねて問う志位さんに、冒頭のように「最後は総理が責任を負っている」と、まるで自分が保障であるかのように答えました。岸田首相であるからこそ、ますます危険すぎます。

 「自衛隊は米軍の指揮下に入らない」と答弁しても、その根拠を首相は最後まで示せませんでした。私は安倍首相の時に、プーチン大統領との対談内容について質問したことがありますが、安倍氏でさえ「つまびらかにはできないが」と言いつつ、くりかえし日本の態度を述べてきたとは答えたものです。しかし岸田首相は、みずからの対談内容には触れずじまいでした。

 ここまでくると、専守防衛という日本防衛の基本を覆しているとしか思えません。エマニュエル駐日米大使が「岸田首相は2年間で、70年来の(日本の安全保障)政策の隅々に手を入れ、根底から覆した」(「産経」)と、言っているとおりだと思います。その自覚がないなら危険なことだし、わかっていて踏み出しているなら平和国家破壊そのものです。

 東アジアの平和構築について、日本共産党の考えはこちらをご覧ください。この講演は20ヵ国を超える駐日大使・外交官も聞いてくださり、積極的な感想も寄せられています。軍事大国化とは違う、外交努力を尽くした別の道があると、私もていねいに広げていきたい。

 【今日の句】主権まで 取られる自覚も ない首相
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畠山和也
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